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総務省ルールの穴を突いてきたドコモ1500円割引プラン 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.229

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2017/05/27(vol.229)

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《目次》

1.ドコモが端末補助の代わりに月額1500円を割り引く「doocmo with」投入

━━吉澤社長「ずっとドコモを使い続けてもらうための料金プラン」

2.ガイドラインの抜け穴を絶妙に突いてきた「docomo with」

━━総務省には「問題がないということは確認をしている」

3.料金施策で新たな手を続々と打ってくるNTTドコモ

━━他社からの反撃は9月の「iPhone」発売時か

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.ドコモが端末補助の代わりに月額1500円を割り引く「doocmo with」投入

━━吉澤社長「ずっとドコモを使い続けてもらうための料金プラン」

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5月24日、NTTドコモは2017年夏商戦向け新サービス・新商品発表会を開催した。終了後、吉澤和弘社長の囲みが行われた。

━━docomo withは端末の購入サポートをやめる代わりに月々1500円割り引くということだと思うが、収益に与える影響はどうなりそうか。

吉澤社長

「当然、毎月1500円を割り引くので、収入が減ることになる。ただ、端末の月々サポートがなくなるのでコストは減ります。

どこまで言うかというのはあるが、今回のプランは、端末そのものは定価で買っていただくので、我々が仕入れる価格、調達価格に対して売値はそんなに高くない。粗利分は他の端末に比べると少し小さくなる。仕入れ値にちょっと(利益を)乗せさせていただいて、それを正価で買っていただくことになる。

料金が下がって収入は下がるが、月々サポートはなくなる。粗利は少なくなるので、我々の収入がその分、少なくなる。その辺の足し算、引き算ということですかね」

(★ この肝は月々サポートのコストがなくなるというところだと思うんだけど)

━━そうすると、そんなに収益には影響はないということか。

吉澤社長

「ただ、今年度はかなりあるのではないか。かなりというか、たぶん数十億円くらいの規模になると思うが」

(★ 月々サポートすべき端末が少なくなれば、収益も改善するのではないか)

━━ユーザーはどれくらいの期間、端末を使うという計算だったりするのか。今までの端末購入補助と比べると、ある程度の年数以上、使わないとユーザーの得にはならないのではないか。

吉澤社長

「また正式には出していないが、端末の値段は2万円台半ごろと3万円台半ごろになる。それに月々1500円割引なので、24カ月だと3万6000円の割引になる。

2万円台半ばの端末であれば、2年経つと端末代金はペイする。そういう計算は成り立つ」

(★ このプランだと、ユーザーはできるだけ同じ機種を使い続けようという意思が働く。結果、機種変更もしなくなり、ドコモとしては月々サポートの負担が減るようになる)

━━今回、docomo withか従来通りの月々サポートか、機種によって選んでもらう形もできたと思う。あえて機種を絞る形で提供することになったのはなぜなのか。

吉澤社長 

「新しい料金プランなので、新しく出す端末にまず適用した。既存のものにこれを適用しようとすると、月々サポートタイプの販売方法と、今回の販売方法が同じ機種で混在する。

お客様にとって、どちらが得なのか、我々自身もどういうお勧めの仕方をしていいのか、対応や理解が非常に複雑になる。

今回の端末はdocomo withのプランだけ。2機種に関しては端末購入補助は一切つかない。

ほかの機種やすでに出ている機種は月々サポートがある。次の端末が出るときにはどのようにするのか。お客様の反応を見させていただいて、状況を見ながら判断する。今は完全に分けてやらせていただく」

(★ 確かに一つの機種で2つの買い方があると、ユーザーとしては判断に迷う。正しい施策かも)

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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