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NBAオールスターのスタメン発表! 異議を唱えた米メディア

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
昨年のオールスターの一コマ(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2月19日にユタ州ソルトレイクシティで開催される2023年NBAオールスターのスタメンが、現地時間の先週木曜日に発表された。

 CBSは「当然のことながらベンチスタートとなった選手たちは、不満を持っている」と報じ、何名かをリストアップした。ファン投票が50%、メディアと選手投票が25%ずつの割合で数字を出して選ばれたスターターが以下の顔ぶれた。

<西軍>

レブロン・ジェームズ(キャプテン)、ステフィン・カリー、ルカ・ドンチッチ、ザイオン・ウィリアムソン、ニコラ・ヨキッチ。

<東軍>

ヤニス・アデトクンボ(キャプテン)、ドノバン・ミッチェル、カイリー・アービング、ジェイソン・テイタム、ケビン・デュラント。

ジョエル・エンビード
ジョエル・エンビード写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 CBSは、現在好調のフィラデルフィア・セブンティシクサーズの大エース、ジョエル・エンビードについて「先発出場すべきだ」と言い切る。1試合平均、33.6得点とセンター部門でトップを走る213cmのカメルーン人ファイターの存在感は抜群だ。

 過去2シーズン、デンバー・ナゲッツのセンター、ニコラ・ヨキッチにリーグMVPを奪われ、今回もベンチスタートとなったエンビードは苛立ちを隠さない。

 とはいえ、膝に爆弾を抱えながらプレーするエンビードは、後半戦を考えればオールスター期間を休息にあてても悪くはない。ファンもエンビードの姿をソルトレイクシティで目にしたいのは間違いないだろうが、一昨年のKINGレブロンのように、余力を残して顔を見せるだけ、という判断もあり得る。

ドマンタス・サボニス
ドマンタス・サボニス写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 今季、予想以上に健闘し、西地区3位につけるサクラメント・キングスの柱となっているのがPFのドマンタス・サボニスだ。年棒1850万ドルの26歳は、開幕から今日までの平均が、18.5得点12.4リバウンド7.1アシスト。

 オールスター選手としては特別な数字ではないが、コート上の献身性は非常に高い。CBSがスタメンに推すのも分かる気がする。

ハリバートン
ハリバートン写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 インディアナ・ペイサーズのPG、タイリース・ハリバートンは、まだそこまでのビッグネームではないが、CBSの評価は高い。

 アイオワ州立大で2シーズン、プレーした後、プロ入り。現在3年目の22歳だ。ドラフト1巡目12位でキングスに入団。ルーキー・オブ・ザ・イヤー候補にもなったが、昨季2月にトレードでペイサーズへ。今年1月11日のニックス戦で、左膝と左肘を痛めたハリバートン。以降、欠場中だがシュート成功率が48%、3ポイントも39.9%である彼をCBSは「もし、ハリバートンがスターティングに選ばれていたとしても、それに異議を唱えなかっただろう」と述べた。

 彼らは当日、どんなパフォーマンスを見せるか。セカンドユニットの戦いも、興味深い。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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