太平洋に気がかりな雲域が発生中 今後の動向に要注意
低圧部が出来る予想
タイトル画像にある通り、フィリピンの東海上に積乱雲を含むいくつかの雲域が発生しており、気象庁の予想では、あす6日(月)午後9時にフィリピンの東海上で低圧部が発生する見込みです。
低圧部とは低気圧性の循環はあるものの、その中心がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心がハッキリと推定できるようになると熱帯低気圧に名前が変わります。
熱帯擾乱が沖縄の南へ?
上図は高層天気図と呼ばれ(日本のGSMモデル)、赤く着色されたところは低気圧性の回転(渦度)が大きなところを示しています。
これによると、フィリピンの東海上で熱帯擾乱とみられる渦度の大きな部分が予想されており、今週後半にかけて、沖縄の南から台湾方面を指向する予想です。
この熱帯擾乱はさきほどの予想天気図にある低圧部よりはやや東側に発生する可能性がありますが、いずれにしても、何かしらの熱帯擾乱が発生しつつ、今週後半にかけて、北上する計算が多くなっています。
NCEPのGFSモデル
参考までに、NCEP(アメリカの国立環境予測センター)が発表している最新のGFSモデルによると、フィリピンの東海上にある雲域は今後数日中に台風の強さに発達することが計算されており、8日(水)夜には北緯20度を越え、9日(木)から10日(金)にかけて、沖縄に接近する予想となっています。
諸外国を含めての様々な計算結果をみると、このGFSモデルが最も強く発達をみているようですから、あくまでも現段階の参考として見ていただきたいと思います。
ただ、現在フィリピンの東海上から日本の南海上は、ここしばらく顕著な台風が発生や通過していないこともあり、海水温が平年より高く、広い範囲で30度以上ある状態です。
まだまだモデルには大きなばらつきがある状態ですが、熱帯擾乱としてまとまりだすと、この暖かな海面上から大量の水蒸気を補給され、一気に勢力を強める心配があります。
今後も最新の情報に注意していただきたいと思います。