ノート(35) 夜間騒然とする拘置所、元特捜部長らの逮捕で新たな展開へ
~解脱編(7)
勾留10日目
延長決定
「書類が届いているから、確認してくれるか」
廊下に面した監視窓から、刑務官がそう声をかけてきた。夕食前の午後、自殺防止房の定位置に座り、司法修習同期で友人の弁護人が差し入れてくれた司馬遼太郎「坂の上の雲」を読み返していた時のことだった。
監視窓の下に設置されていたアクリル製の四角い小窓を開け、「称呼番号(しょうこばんごう)」と呼ばれる固有の番号を確認されると、刑務官が1枚の書類を差し出してきた。
僕の勾留質問を行い、10日間の勾留を決めた裁判官が、その期間を更に10日間、すなわち10月11日まで延長する、とした決定書のコピーだった。
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