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大器・伊藤匠五段(19)13連勝! レジェンド羽生善治九段(51)7連勝! 将棋界2022年度成績

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2022年度の将棋界。公式戦の成績ランキングには好調、順調な棋士の名が並んでいます。

 昨年度勝率1位を達成した伊藤匠五段(19)。今年度も破竹の勢いで、現在は16勝2敗(勝率0.889)です。

 連勝部門は未放映のテレビ棋戦の結果がすべてオープンにならない限り確定しませんが、それにしてもすさまじい勢いで勝っていることに間違いはありません。

 王位戦リーグでは豊島将之九段(現挑戦者)に敗れてタイトル戦初登場のチャンスを逸しました。しかしそこから13連勝。竜王戦でも旋風を巻き起こしつつあります。

 伊藤五段は7月15日、竜王戦本戦で稲葉陽八段と対戦。こちらも注目の一番です。

 今年度デビューの新四段をのぞき、現在通算勝率で8割を超える棋士は、藤井聡太竜王と伊藤匠五段だけです。

 服部慎一郎四段は今年度13勝3敗(勝率0.813)で10連勝中。王将戦では二次予選決勝まで進み、リーグ入りまであと1勝としています。

「忍者」の愛称で知られる服部四段。ほどなく大ブレイクしてもおかしくない新鋭の一人です。前期叡王戦では挑戦者決定戦まで進みました。ABEMAトーナメントでは3連投3連勝の偉業を達成しています。

 レジェンド羽生善治九段は7勝1敗(勝率0.875)です。昨年度はキャリア初の負け越しを記録しましたが、今年度はここまでさすがの成績。通算1500勝を達成したあとも、着々と白星を伸ばしています。

 前人未到の領域を歩み続ける羽生九段。今年度はA級復帰が注目されるとともに、タイトル通算100期達成なども引き続き期待されます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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