IT EXPO「ももいろクローバーZイベント」、IT業界がアイドルに学ぶことはやっぱりある!
東京ビッグサイトにて開催中の「ITpro EXPO 2013」に、ももいろクローバーZがまさかの登場。その内容は、トークイベント「ITクロEXPO ~ももいろクローバーZがITを学ぶ~」というもので、講師はITジャーナリストの津田大介さんでした。
その内容は、前半と後半に分かれており、前半は「ITとは?」「スマホの普及率は?」「つぶやきやfacebookに参加している人の数は?」「ソーシャルメディアとは?」という感じで、まずはIT系の今の基礎知識をクイズ形式で、学ぶという形。
そして、後半はトレンド・キーワードであるビッグデータについて。コンビニのPOSデータの紹介や、ももクロ本人たちに関するのクチコミのデータやその解析についての話がされ、短い時間ながらもツボを抑えた内容に、メンバーの玉井詩織さんからも「ITって今までお固いイメージで、ニュースの中でしか聞かないことだと思ってたけど、意外に身近な存在で、これからもっと便利になっていくんだなと思った」というコメントもありました。
イベント最後には、ももクロの名物マネージャーの川上アキラ氏まで登場して「これまでビッグデータなど全く参考にしてなかったので、これから活用していきたいと思います」という感想を述べていました。
でも、トークイベントが終わって、私が思ったことは「いやいやIT業界こそ、アイドルに学ばないといけないんだな」ということでした。
正直、ももクロとITとか、いかにも企画ものです。でもね、会場内にいた幸運なみなさんは、みんなとにかく顔をニコニコさせて話を聞いていたんですよね。イベント前半をクイズ形式にしたのもよかったと思うのですが、ももクロのメンバーは終始楽しそうで、会場を飽きさせないためのホスピタリティにあふれていました。彼女たちは、現場を楽しくさえしていれば、自然とそこに人は集まってくるということを、心技体で知り尽くしているんだなあと。
仕事や便利さを追求してきたITも、ソーシャルネットワークを経て、結局はそのサービスを人が使ってくれないとどうにもならない・意味がないという領域に入っています。ビッグデータにしたって、そこに人が集まって、データを心よく提供してくれるからこそ成り立つのです。
IT系のサービス、特に展示会では、機能説明やサービス内容を理解してもらおうということに必死になりがちです。でも、それだけでは、人は集まってくれません。今、流行っているサービスに参加している人は、全員サービスを理解しているでしょうか?、むしろ逆だと思うのです。ツイッターだって最初はよくわからなかったけど、楽しんで使っているうちに、サービスの本質を理解していったという人がほとんどなのではないでしょうか。
だから、実はユーザーが気にしているのは、ここは参加していい場なのか?使っていいサービスなのか?ということであり、大事なことは、その障壁を取り除くことなのではないかと思います。ユーザーに対して、開かれた姿勢を保ち、かつ疑問に思うことには地の果てまで追いかけても答えていく、そういった行動の継続が、ユーザーとの関係性を作ってくれるはずです。
ITのサービスでは、アイドルのように歌って踊ることはできません。でも、その歌と踊りで、彼女たちがやろうとしている参加者を楽しませるということを、歌と踊りではない形で、徹底的に提供し続けることが、人を集めるのだと思います。
この日のイベント、会場はスーツのおじさんでいっぱいです。でも、ももクロのメンバーは会場の反応が悪くても自己紹介をやり、イベントが終わる頃には、会場の空気はももクロメンバーの一言一言に反応するようになっていましたからねえ。ホントお見事でした。