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藤井聡太王将に挑戦するのは羽生善治九段か? 豊島将之九段か? 王将リーグ終盤展望

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 藤井聡太王将(20歳)への挑戦権を争う第72期ALSOK杯王将戦・挑戦者決定リーグは終盤を迎えました。

 現在までトップを走るのは5勝0敗の羽生善治九段(52歳)です。4局目では渡辺明名人(38歳)、5局目では永瀬拓矢王座(30歳)と現役タイトルホルダーを連破。破竹の5連勝でプレーオフ以上を決めました。さすがレジェンドというよりありません。

 羽生九段を追いかけるのは現在3勝1敗の豊島将之九段(32歳)。挑戦権争いはこの2人にしぼられています。

 豊島九段はここから渡辺名人戦(11月15日)に勝ち、さらに最後の羽生九段戦(11月22日)に勝てば、プレーオフに持ち込むことができます。

 前王将の渡辺名人は1勝4敗でリーグ陥落のピンチを迎えており、残留を目指しての戦いとなります。

(※11月14日追記:永瀬王座-近藤誠也七段戦で永瀬王座が勝ったため、渡辺名人のリーグ陥落が決まりました)

 渡辺名人と豊島九段の対戦成績は渡辺22勝、豊島15勝です。

 羽生九段と豊島九段の対戦成績は羽生19勝、豊島26勝です。

 昨年のリーグは藤井竜王(現王将)が最終戦を待たずして5連勝で挑戦を決めています。

 ただし藤井現王将もリーグ6戦全勝はできませんでした。今期の羽生九段は自身2度目となるリーグ全勝の可能性も残しています。

 藤井-豊島のタイトル戦は過去に4回。藤井-羽生のタイトル戦は、まだ1回もありません。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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