シリアのバッシャール・アサド大統領は、首都ダマスカスにある大統領府で、アブハジア共和国のイナル・アルドズィンバ外務大臣と会談し、「世界の多数派」と題した政治・思想対話を行い、4月21日にロシアのチャンネル1(カナール1、第1チャンネル)がこれを放映した。
アブハジア共和国は1992年7月にジョージアから一方的に独立を宣言、長らく未承認国家だったが、2008年8月にロシアが承認を発表したのを皮切りに、ニカラグアが同年9月、ベネズエラが2009年9月に、ナウルが同年12月に独立を承認した。
シリアも2018年5月に独立を承認、2021年5月にはアスラン・ブジャニヤ大統領がシリアを公式訪問し、アサド大統領と会談しているほか、2022年8月にはファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣がアブハジア共和国の首都スフミを訪問するなど友好関係を築いている。
シリア国営通信(SANA)によると、対話のなかで、アサド大統領は、諸国民のアイデンティティと西側諸国が世界各地で仕掛けている戦争との関係、これによって諸外国、諸国民が尊厳と引き換えに強いられている代償、西側諸国が持つ大国意識のコンプレックス、西側諸国に真の指導者がいるかといった点についてのビジョンを示した。
対話は、自決と主権を目指す諸外国の役割を中心に行われ、こうした国々が米国をはじめとする西側諸国に対峙する「世界の多数派」をなしていることが確認されたという。
対話におけるアサド大統領の主な発言は以下の通り。
「世界の多数派」の解釈
米国の影響力の低下について
多極主義について
ロシアへの評価
ロシアのウクライナ侵攻(特別軍事作戦)について
中国への評価
西側との対話の可能性について
NGOの影響力について
パレスチナ・イスラエル情勢について
中東諸国と西側諸国の関係の希薄化について
幼少期について
SNSについて
趣味や家族について