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住宅地の保育所への苦情「子供の声がうるさい」に同意するか否かに意外な結果が

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 子供の預け入れ場、教育機関の一環として保育所の需要は高まるが…

保育所の需要に合わせ、子供の声が騒音となるので対処をしてほしいとの苦情、さらには訴訟、建設時における反対運動も生じるようになった。このような世の中の流れに、人々はいかなる意見を有しているのだろうか。厚生労働省が2015年10月に発表した人口減少社会に関する意識調査結果をもとに、現状を確認していくことにする。

保育所は小中学校と比べれば少ない面積で建設できることから、かつて集会場やちょっとした商業施設だった場所が改装・改築されてオープンする事例も珍しくない。他方保育所の特徴として、子供が居る際には子供特有の高い声などが日中から響くこともあり、周辺住民には耳障りなもの、騒音として認識され、一部住民から反発を受けるケースも増えている。このような話が少なからず起きている状況に関して、どのような意見を持っているか、具体的には「近くに保育所があると子供の声がうるさい、騒音である」として反対する・否定的な考えに対し、同感できるか否かを尋ねた結果が次のグラフ。

↑ 住宅地に立地する保育所に「子供の声が騒音」であるとの反発的意見があるが、どう思うか(2015年3月)
↑ 住宅地に立地する保育所に「子供の声が騒音」であるとの反発的意見があるが、どう思うか(2015年3月)

全体では約2/3が同感しかねる、つまり「子供の声は騒音なので保育所の建設は反対」とする意見には反意を持つ人が居ることになる。同感できるとする意見は1/3程度。意見強度を見ると同感しかねる派の4割が強い意志であるのに対し、同感できる派は約15%。大よそ「『騒音だから住宅地への保育所建設は良くない』とする意見には同意できない」との人が多数派にあるようだ。しかし見方を変えれば1/3の人が、「住宅地での保育所はうるさいからアウト」的な意見を持つことになる。

属性別に見ると、大よそ男性の方が子供の声には寛容であり、女性の方が厳しい意見を有している。また年齢階層別では男性が大体若年層ほど厳しめ、女性では中堅層が厳しい意見を持ち、若年層と高齢層はやや甘め。特に女性40代では、肯定派と否定派がほぼ同率となり、属性別ではもっとも子供の声に対する厳しさがうかがえる。保育所の立地による騒音問題では、世間一般には「女性が寛容」「高齢者の反対意思が多い」とのイメージがあるが、少なくとも今調査の限りではそれらとは逆で、男性が寛容・若年層の方が厳しいとの結果が出る形となった。

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実のところ保育所から生じる音、声が騒音となるのか、周辺に迷惑なものとして認識されるか否かはケースバイケースであり、一般論として語るのは難しい。多人数を収容する住宅地の保育所でも適切な距離が周辺住宅との間に設けられていたり、道路を隔てていれば音は気にならないことが多いが、閑静な住宅街で周囲に交通量のある道路も無く、普段は人々の喧騒も耳にしにくい場所に保育所が建てられた場合、新たに生じた「音源」にうるささを覚えるのも無理は無い。

また今件では性別・年齢階層別のみの仕切り分けでしか値が公開されていないが、「子供を持つか否か」「自宅近所に実際に保育所があるか無いか」「賃貸か持ち家か」などの属性分けでは、また異なる分析ができるものと思われる。

ともあれ、一般論として「住宅地への保育所に関して、1/3は反発感への同意がある」との事実は、知っておくべきだろう。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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