【碧南市】「碧南市藤井達吉現代美術館」の『松本竣介《街》と昭和モダン」戦争と平和の時代を絵画で考える
shungikuです。
碧南市の「碧南市藤井達吉現代美術館」では新しい企画展『松本竣介《街》と昭和モダン』開催中です。
今回は ー糖業協会と大川美術館のコレクションによるー とサブタイトルがあります。
「松本竣介」「糖業協会」「大川美術館」と聞いて、すぐにそれをイメージできる人はかなりの美術愛好家だと思われます。
しかしながら、毎回「期待を裏切らない企画展」を開催している「藤井達吉現代美術館」ですから楽しみに鑑賞してまいりました。
ポスターの「街」を見るとすこし「寂し気」「心許ない感じ」がしませんか?
「街」って、何処の街なのかしら・・とも。
そんな気持ちが沸き上がった方、美術館に足を運んでいただきたいです。
「有名な画家の有名な絵を見て感動する」ばかりではない楽しみがそこにはあります。
公益社団法人「糖業協会」は1936年創立で協会の成長とともに美術品のコレクションを充実させ藤島武二・梅原龍三郎といった重鎮の作品なども所蔵しています。
「大川美術館」は桐生市出身の実業家大川英二の収集(松本竣介がきっかけ)が中心となっているものです。
この2つ美術館の収蔵品から松本竣介の「街」を起点として見て考えていく企画展です。
企画展は5つの章に分かれており、順に鑑賞を続けると初めに感じた「街」のもつ「暗さ」や「不安定さ」が一体どこからくるものなのかが分かってくるのです。
第1章 1、自然を眺めるー海と山
2、自然を眺めるーくつろぎの庭
第2章 1、テーブルの上の物語―花の彩り
2、テーブルの上の物語ー静物のささやき
第3章 1、松本竣介―街ー
2、松本竣介-モダンガール
第4章 人の形―肖像から人間像へ
第5章 まだ見ていない「かたち」ー幻想と抽象
第1章から順に鑑賞してゆくと「海や山」「庭」「花」「生物」第3章になり松本竣介の「街」にたどり着くと、なぜか、心が反応し始めます。
私たちは昭和という時代は必ずしも”高度成長期”で浮かれてばかりいたわけではなかったと気づくのです。「戦争」やその後の苦しかった時代、様々なことが大きく変わり誰もが心に「何かつらいこと」を秘めていたこと。
そして、それを表現した「絵」を目の当たりにすることで「そうだよね・・」とちょっと安心したような気持になって最後の展示室を出てくる・・・
心なしか誰もが少し「ホッとしたような顔」をしているように感じました。
夏休みは「ワークショップ」へ
「碧南市藤井達吉現代美術館」のワークショップは興味深いものが目白押しです。
夏休みになりました。
みなさん、ぜひご参加いただきたいです。
対象も小学生から参加できるものが多いですし「有意義な夏休み」になることでしょう。
「自由研究」にも最適です。
まだ、満席ではない講座もあるようですのでお問合せを!
カフェ「昭和レトロ むぎの家」
会期中、美術館内のカフェ「むぎの家」では昭和レトロコラボメニューが提供されます。
昭和の時代を経験している人には懐かしく、未経験の若者たちには新鮮なメニューを楽しみながらこの企画展の感想を語り合ったりしてはいかがでしょうか?
昭和の時代は薄い「ホットケーキ」が当たり前。
2~3枚重ねると相当”贅沢感”がありましたよね。
「クリームソーダ(色付き)」には若いころのデートの思い出が・・なんて。
最後に今回唯一「撮影許可」が出ている「松本竣介《街》」を展示室で撮影したものを。