『今週末の日曜日、ユニクロで白T買って泣く』から学ぶ本当の志望動機の見つけ方
就活生がぶつかる壁のひとつに「志望動機」がある。特に第一志望ではない企業の選考前には多くの就活生が頭を抱えながら徹夜をして、強引に「志望動機」を作り上げる。結果、企業のビジョンや社会貢献、商品・サービスなど就活マニュアルに沿った項目に触れることしかできず、表面的で誰でも話せるような志望動機に仕上がってしまったという経験を持つ就活生は多いはずだ。
とはいえ、就活を進めるうえで「志望動機」は重要な役割を持つため、就活生は人事・面接官の視点で就活生がどのような「志望動機」を話すことを求めているのかを把握して欲しい。
今週末の日曜日、ユニクロで白T買って泣く
先日、こんな記事がSNSを中心に話題となったようだ。
今週末の日曜日、ユニクロで白T買って泣く(島田彩/note)
筆者がアルバイト面接を控えた18歳のR君と対話しながら、自然と「志望動機」を引き出していく様子と、そのうれしい結果をつづったシンプルな内容ながら、コメントには「泣ける」「素敵なお話」「こんな志望動機聞いたら採るでしょ」など反響を呼んでいる。中には現在ユニクロでアルバイトをしている学生から「初心を思い出した」と熱量の高いコメントも寄せられた。
記事にあるストーリーはアルバイト面接に関する「志望動機」だが、就活やインターンシップの選考においても参考になる点が多い。
「忖度型志望動機」は期待外れ
学生が「志望動機」で勘違いしている点は、企業が喜ぶことを軸として構成してしまうことだ。
“御社は事業以外にも多くの社会貢献をしており、ビジョンの実現を本気で取り組んでいる姿勢やグローバル市場へ挑戦する姿が自分の将来像と重なり、この環境で挑戦したいと感じています”
これは一見、普通の「志望動機」のようだが人事・面接官の心は動かない。企業からの評価を気にした、いわゆる「忖度型志望動機」は、むしろ期待外れと言って良いだろう。
人事・面接官が見ている「志望動機」のポイントは、本質的な企業研究を踏まえた上で、R君のように「心からの声」をしっかり言語化できているかということ。さらには、「入社後のイメージ」をさせてくれる内容であることも大きなポイントになる。
絶対に外さない志望動機の見つけ方
志望動機を考える際に忘れてはいけない意識がある。それは「志望動機は作るものではなく、既に自分の中にあるもの」ということ。自分の中にある志望動機の要素を見つけられれば、自分らしい内容にもなり企業から見ても本気度も入社後のイメージも伝わる自然な志望動機になる。
自分の中にある志望動機の見つけ方はシンプルで『その企業は誰にどんな価値をどのように提供しているのか。そして、誰から利益を得ているのか』を自分の言葉で語れるようにすること。すると、その企業で働く=利益を作るために必要な「力・価値観」が見えてくる。
絶対に外さない志望動機とは、その「力・価値観」が自分のはたらく未来の中でいかに必要なものなのかを自分の言葉で届けることなのだ。
想いの強さがイメージに繋がる
R君の場合、初めに考えていた「多くの人にユニクロ商品を届けたい」は忖度型志望動機だった。だが実体験を振り返り心から湧き出る本当の想いを「自分を変えたい人の、“最初の一着探し”を手伝いたい」という言葉にして届けた。
その想いを受け取った採用側は、R君は壁にぶつかり挫折しても乗り越えてくれる・職場に良い空気を発信してくれるだろうという「入社後のイメージ」を持てたはずだ。それは採用の評価で重要なポイントになる。
コロナ禍で就職活動やインターンシップの選考が厳しくなっているからこそ、忖度型ではなく企業の本質を理解した上で、自分のはたらく未来を想像しながら心の声を可視化してみてはいかがだろう。
はたらくを楽しもう。
【参考】
・就活情報、社会人接点ポイントはTwitterで発信中(ご相談はDMにて受け付けています)
・15万人に学生に出会って見えた真実:『新しい就活』
・志望動機を支える『企業研究の極意』:YouTubeチャンネルはこちら