最終回、松田投手が被弾…中日にサヨナラ負け《9/13 阪神ファーム》
11日から行われた中日3連戦(ナゴヤ)は、3試合とも3時間半を超える戦いでした。特に12日は4時間26分という長さで。この日は延長戦までに時間を要していたんですけど、延長10回も結構かかりましたしねえ。きのう13日のこのカード今季最終戦も3時間40分…。前日の逆で、阪神が7対2とリードしながら追いつかれ、9回にホームランを浴びてサヨナラ負け。3連勝はならずです。
この3連戦は両チームとも長打が続出という印象が残っています。3試合で阪神は本塁打が2本、二塁打がなんと12本!中日と合わせると本塁打4本、三塁打2本、そして二塁打は19本もありました。すごいですねえ。風向きがいつもとは少し違って、北寄りに吹いていたのもあるのでしょうか。
2日目の試合後は取材が終わったらもう暗くなっていて、季節の移ろいを感じますね。きのうはまだ明るかったので、ことし最後(最初でもあったのですが)のナゴヤ球場の写真も少し撮ってきました。朝の開門前だと日差しも強くて、真夏とそう変わらない感じに映るけど、夕方はさすがに秋の色合いが濃く、空の雲も違います。
《ウエスタン公式戦》9月13日
中日-阪神 最終29回戦 (ナゴヤ)
阪神 003 040 000 = 7
中日 020 020 302x= 9
◆バッテリー
【阪神】岩本-小嶋-榎田-●松田(1敗1S) / 小豆畑
【中日】雄太(4回2/3)-武藤(1/3回)-岸本(2/3回)-小川(1/3回)-西川(1回)-八木(1回)-○高橋聡(1勝)(1回) / 赤田-松井雅(6回~)
◆本塁打 福田4号2ラン(松田)
◆三塁打 三ツ俣
◆二塁打 【神】北條、ペレス、緒方 【中】福田、赤田、高橋周、三ツ俣
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]指左:柴田 (5-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .338
2]遊:北條 (4-1-2 / 2-1 / 0 / 0) .249
3]中:江越 (4-1-0 / 3-1 / 0 / 0) .321
4]左:ペレス (4-1-1 / 1-1 / 0 / 0) .318
〃投:松田 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
5]三:陽川 (3-1-0 / 2-2 / 0 / 0) .209
6]二:森越 (5-1-2 / 2-0 / 0 / 0) .278
7]一:黒瀬 (4-2-2 / 1-0 / 0 / 0) .192
8]捕:小豆畑 (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .221
9]右:緒方 (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .237
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
岩貞 5回114球(7-2-3 / 4-4 / 4.03) 142
筒井 1.1回 26球 (2-0-1 / 3-3 / 3.75) 143
榎田 0.2回 9球 (2-0-0 / 0-0 / 2.41) 139
松田 1.1回 18球 (2-1-0 / 2-2 / 4.63) 148
試合経過
1回の阪神は雄太に対し、北條と江越が連続三振に倒れるなど三者凡退。その裏、岩本も2死から四球を与えただけで無失点でした。2回は陽川の中前打と黒瀬の左前打で2死一二塁として、小豆畑の右前打で陽川がホームへ!しかし古本からのダイレクト返球でタッチアウト。するとその裏、岩本が先頭の福田に三塁線を破る二塁打を浴び、2死を取るも三塁へ進めて8番・三ツ俣の右越え三塁打で1点。続く赤田に右中間へのタイムリー二塁打。先に2点を失います。
しかし3回、阪神は緒方の四球と柴田の左目打で無死一、二塁として北條が中越えのタイムリー二塁打!これで俊足の2人が還って同点となり、送球の間に三塁へ進んだ北條は1死後にペレスの左中間への二塁打で生還。3点を奪って逆転に成功しました。
さらに5回は2死から、ここまで2三振だった江越が右前打を放ち、ペレスは四球。ここで雄太が降板し、代わった武藤から陽川も四球を選んで2死満塁。森越が右前へ2点タイムリー!送球の間に二、三塁となって黒瀬は左前に2点タイムリー!この回4点を加えた阪神打線は、7対2とリードを広げています。
4回は2死からの1四球があったものの0点に抑えた岩本は、4点を取ってもらった直後の5回裏、連続三振を奪いながら古本に右前打、高橋周の右翼線二塁打、福田への四球で満塁としてしまい、6番・野本の右前タイムリーで2点を返されます。岩本は5回で114球を投げ、7安打(うち三塁打1、二塁打3)4失点。試合後に「きょうは真っすぐがあんまりいっていなかったので、反省します」とコメントしました。
6回以降は走者を出しながら追加点を奪えなかった打線。6回は先頭の緒方が中越え二塁打を放ち、これで先発全員安打を達成!しかし2死後に江越が四球を選んだだけで無得点です。7回は先頭の陽川が四球、しかし森越のバントで二塁封殺、黒瀬は遊ゴロ併殺打と結局3人で終了。8回も先頭の小豆畑が中前打し、緒方の犠打と北條の四球などで2死一、二塁としますが得点なし。
一方、阪神投手陣は6回に小嶋が初めて三者凡退に斬って取りますが、7回は先頭の溝脇に内野安打(遊ゴロを北條が捕ってランニングスロー、惜しくもセーフ)、古本への四球で無死一、二塁として4番・高橋周に中前タイムリー。なおも一、三塁となり、1死を取ったところで小嶋は降板。代わった榎田は初球で野本を左飛に仕留めながら、代打・谷に右前タイムリー。続く三ツ俣にも左越えのタイムリー二塁打を浴び、この回3失点。ついに追いつかれました。
8回は松田が登板し、9番からを三者凡退(赤田と友永は右飛で2球ずつ、溝脇は初球で遊飛)。カーブが1球、他は真っすぐです。こちらも9回表は陽川と森越の連続三振など三者凡退で、この日は延長に入らない規定のため勝ちはなくなりました。そして9回裏、続投の松田はまず古本をこの日の最速148キロで空振り三振!ところが高橋周にセカンド内野安打を許し、続く福田にカウント3-1からの5球目、143キロの真っすぐをレフトへ…。完璧な当たりは第4号のサヨナラ3ランとなり、試合終了です。
松田「また勉強します…」
松田投手は、その瞬間に泣きそうな表情で肩を落とし、後ろを向いて足で地面を蹴る仕草。自分に腹が立って仕方がないという気持ちなんでしょうね。正面を向きベンチへ引き揚げてくる際も、ガックリと落ち込んでいるのがわかります。試合後もそんな表情は変わらなかったものの、少しだけ話をしてくれました。
「真っすぐが真ん中に入りました。毎日、同じ失敗ばっかり…。また勉強します」
松田投手は前回、6日のソフトバンク戦(雁の巣)で先発して2回3安打無失点。今回の中日3連戦では3連投しています。11日は榎田投手のあとを受け、2死三塁で三ツ俣選手に右前タイムリーを打たれて交代。12日は延長10回の2死一、二塁の場面でやはり榎田投手に代わっての登板で、三ツ俣選手を空振り三振に。明暗くっきりの結果ではありますが、本人いわく「どちらもスライダーが抜けたもの」で大反省でした。
きのう13日は8回から登板して、1イニング目は三者凡退だったものマウンドから戻ってくる時の表情は不満そのもの。納得いっていなかったんでしょうか。9回は真っすぐで三振をとったあと内野安打、そして「真ん中にいってしまった」直球を打たれてのサヨナラ2ラン。
1球で決まってしまったゲーム…
吉田バッテリーコーチは「カウント3-1から真っすぐで…。そこまで変化球で粘って、なんでそこで真っすぐいくんやということ」と、リードした小豆畑選手への苦言です。「1発で終わっちゃダメ。1球でゲームを決めちゃいけない。満塁だったなら、まだしもね」
小豆畑選手も「“配球”で打たれないよう、気をつけます。僕のミスです」と、ひたすら猛省。この日はセンターから逆方向へのヒットが2本出たけど、それどころではないという雰囲気でした。
ちなみに、サヨナラ2ランの中日・福田選手は「真ん中、高めの真っすぐ。あそこはホームランを打とうと思って打席に入りました」とコメントしています。なかなか調子が上がらずファームで再調整中だったそうですが、前日は9回に同点タイムリー、きのうは二塁打とサヨナラ2ラン。結果はもちろん、凡退した打席でも快音が聞かれました。試合後も打撃練習うい余念がなかった福田選手。次は1軍で打つところをテレビで拝見します。
黒瀬、森越、2人で4打点!
9回にDHを外して松田投手が4番位入ったため“全員安打”はなりませんでしたが、6回に緒方選手が放った二塁打で“先発全員安打”は達成。緒方選手と北條選手がこれで6試合連続安打中です。北條選手は2三振を喫したものの、しっかり振れていますね。後半はファウルで粘ったり四球を選んだり。ボールがよく見えている?と尋ねたら「そうですね、見えてます」と笑顔で頷きました。なおペレス選手はこの3連戦で計4本の二塁打を記録しています。
2点タイムリーを含む2安打の黒瀬選手は、きのうが8月12日のオリックス戦(北神戸)以来のスタメンで、さらにヒットは7月12日のオリックス戦(鳴尾浜)で2安打して以来。「状態は悪くなかったんですけど、1本出なかったので嫌な感じでした。出てよかった」とホッとした様子です。
中日の雄太投手については「相性よかったですよ。4の4があるので」とのこと。思い出しました!6月17日の鳴尾浜で雄太投手から4打数4安打、しかも二塁打2本を含む4打席連続安打です。なるほど、じゃあ雄太投手は黒瀬選手の顔も見たくないほどかもしれませんね。
また森越選手は今回、2試合が途中からで13日は先発出場。5回2死満塁のチャンスにタイムリーを放ち、2人を還しています。あそこはもう打たなきゃという…と言ったら、すぐに「場面でしたねえ!」と続けてくれました。そう、その通り。「ピッチャーが苦しそうだったので何とかしたくて。ボール球だけは振らないように気をつけて、ストライクゾーンに来た球は積極的にいこうと思っていた」そうです。それで「1球空振りしたけど、それがいい結果につながった」とも。
あそこでもう1点、と八木コーチ
シブい2人の連続タイムリーで引き離したはずが、追いつかれてサヨナラ負けという結末でした。八木打撃コーチは「7点取ったあと取れなかった。6回からキャッチャーが松井雅に代わったこともありますね。経験のあるキャッチャーになると、振らされることも多くて。もう1点取っておけば優位に進められたんだけど、流れが向こうに行ってしまった。流れを渡さないためにも6回2アウト一、二塁のところ、あそこでもう1点欲しかったね」と振り返ります。
そのあと続けて「ちょっと三振が多いので、気合いを」という言葉。確かに11日は9個、12日は7個ですが、13日は12個も三振を奪われました。三振しなかったのは小豆畑選手と緒方選手だけ。2番から6番で10個ですもんね。あす15日からの試合で“気合い”を見せてもらいましょう!