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リーチ マイケル激白。2016年は「あの状態でやったら引退していた」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
フランカー。グラウンドの端でのランニングやジャッカルが期待される。(写真:アフロ)

 4年に1度のワールドカップの日本大会を来年に控えるラグビー日本代表は、今秋、ニュージーランド代表などと戦うツアーに挑戦。本番前に備え、さらなるチーム力強化に注力する。8月下旬、リーチ マイケルキャプテンが共同取材に応じ、本大会やチームについて語っている(本稿は前半)。

 15歳で来日して札幌山の手高校、東海大学を経て現在は東芝でプレー。2008年から日本代表入りし、ワールドカップには2大会連続で出場中。南アフリカ代表などから3勝した前回のイングランド大会では、キャプテンを務めている。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――ワールドカップまであと1年前。

「ワールドカップまで1年。その1年は早く感じます。2015年のちょうど1年前にイベントがあって、その時に均ちゃんが言っていたのは、『あっという間にワールドカップが来る』と。早いと想像していました」

――2011年は生まれ育ったニュー人ランドでの大会に出て、今度は15歳から移り住んだ日本での大会に出ます。

「2011年は、家族はリアルタイムで観られたけど家族はリアルタイムで観られたけど、そんなに特別には感じていないです。イングランド大会(2015年)と、そんなに違いはなかった。でも今回の日本開催に日本代表としてというのは、かなり特別な気持ちになります。100倍、スペシャル。来年ちょうど、日本に来て15年になります。ニュージーランドは15年、住んでいて、ちょうど区切りのところ。ニュージーランドでやっているラグビーは15歳までで、ほぼ遊びでした。ラグビーは日本が一番、フィーリングが合います。たくさんここで練習しているし、指導もしてもらっていて、よくしてもらっている。ラグビーに対して、熱は(ニュージーランド時代から)変わらないけど、うまくなったのは、日本です」

――2015年のワールドカップイングランド大会で歴史的3勝を挙げてからの3年間で、リーチ選手はどう成長したか。

「自己責任。自分だけで考えること。どうピークに持って行って19年に結果を出すかについて東芝でも話しながらプレーした。絶対に19年で結果を出せるようなフィジカリティを作る…と。すごくセルフィッシュな考えですが、勝つために、そのへんが成長できた。いまは体力数値、GPS、パワーが上がっている。東芝でいい結果を出して、ワールドカップの頃には、最強に」

――具体的には、2016年は代表活動を辞退しました(6月は薫田真広強化委員長の懇願で3戦中ラスト1戦のみの出場に合意も、怪我のためキャンセル)。

「あの時も(代表を)引退したとは言っていない。もしあんな状態で16年にやっていたら死んでいます。ラグビーが嫌いになっていた。結果がすべてです」

――ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ率いる現体制について、どうお感じですか。

「選手は、前回ワールドカップを経験したメンバーが一生懸命やっています。経験は大きい。ジェイミーだけじゃ難しい。選手がよく準備しています。ワールドカップに勝つために。ジェイミーがゲームプラン、練習プランを立てて、その内容、精度、スタンダードを高めるのが選手。選手がすごく大事」

――首脳陣の打ち出すプランを、選手がブラッシュアップしているのでしょうか。

「細かいところを、選手のなかでたくさん上げています。ジェイミーとブラウニー(トニー・ブラウンアタックコーチ)が大体のことを落としていて、それをどううまくしていくかを理解して、選手で考えて伝えて、自分たちのなかでコーチングしたりしています」

――これから何を高めてゆくか。

「まず身体。もっと走れないといけない。力をつけないといけない。アンダープレッシャーでの精度を上げなくてはいけない。あとはゲームマネジメント。ゲームプランには自信があります。スクラム、ラインアウトも…。あとは試合中どうマネージメントするかは、大分、変われます」

――2015年までは、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチのもと早朝から1日複数回の練習を実施。身体を鍛えこんだ。

「あれはやりすぎ。サンウルブズがあるからやる必要はない。走らないといけないとは思うけど、朝から5部練とかはやらなくていい」

――前回は田中史朗のような選手が檄を飛ばし、皆を引き締めていました。いまは。

「ブラウニーがすげー考えてる、やりやすい。ディフェンスコーチにジョン・プラムツリーがいて、(堀江)翔太もいい方法を考えている。そこのなかでもいじったりしています。ラインアウトは大丈夫です、いまのところ。背が小さい分、精度が高い。ラインアウトディフェンスがよくなってきていて、そこはジェイミーが(尽力)。(スクラムコーチの長谷川)慎さんも一生懸命で、スクラムもよくなっていて、モールが強い」

(後半へ続く)

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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