警察犬でも救助犬でもない「読書犬」っているのかしら? 子どもが本好きになる新しい取り組みとは
警察犬や盲導犬や聴導犬などの使役犬は、いろいろな面で人間の生活を助けてくれますね。
たとえば、スイスなどはセントバーナードの「救助犬」が冬に積雪が多い地域で遭難した人に首にぶら下げた樽からブランデーなどを飲ませて助けています。犬はこのように、人の生活に貢献しています。
読書の秋になり子どもが本を読んでくれるといいなあと思っていませんか。そんな要望に応える読書のお手伝いをしてくれる犬がいるのです。今日は、フィンランドで活躍している「読書犬」についてご紹介します。
フィンランドにいる読書犬
フィンランドでは、図書館に「読書犬」がいるそうです。
筆者は、読書もそしてもちろん犬も好きなので、こういうシステムは羨ましい限りです。「読書犬」と接することで子どもは本好きになることが多いそうです。それでは、フィンランド活躍している読書犬について紹介します。
読書犬とは、子どもたちが本を読み聞かせるための犬です。子どもは人に読み聞かせすると、うまく読まないといけないというプレッシャーがかかりますが、ところが犬だとそういうことを考えてなくてすむので、よりリラックスできるのです。もちろん、その様子を事故のないようにインストラクターが見守っています。
読書犬は、子どもが読み間違いしても、ゆっくり読んだりしても気にせず、じっくりと耳を傾けます。子どもにとって、このような犬に読んで聞かせるという練習は非常にやりがいのある経験です。
犬に読み聞かせする時間は、通常は約5分程度で、慣れてくれば最大15分だそうです。読書をすればいいということがわかっていても、習慣がないとむずかしいですね。ところが子どもの頃より読書習慣があれば本好きな子に育ちやすいです。
いくら読書犬に本を読み聞かせるといいといっても犬が苦手な子は、ゆっくり触れあうようにしています。読書犬は訓練されているので、このことを通して犬の恐怖を克服できる子もいるそうです。
(犬のアレルギーがある子は、できないシステムですね)
どんな犬が読書犬に向いているの?
フィンランドでは、ビーグル犬やバーニーズマウテンドック(上記の写真の犬)などの比較的大型の犬が使われていますが、どんな犬種でもいいそうです。以下のような犬が読書犬に向いています。
□人に優しいとくに子供にも優しい
□健康状態がいい
□2歳以上
□他の読書犬がいても落ち着いている
□ゆったりした性格
そのため大型犬が多いのかもしれません。
□読書犬になるための訓練が必要
どんな人でもどんな場所でも、落ち着て読んでいるのを聞くことができるように訓練されています。
読書犬のインストラクターは18歳以上で、フィンランドのケネルクラブのメンバーです。インストラクターは、子どもが好きでこの「読書犬」の活動の意義をしっかり理解しボランティア活動の精神を理解して、読書犬のインストラクターの資格を持っています。
小児病棟をまわるセラピードッグが日本でも働いています。たとえば、注射を嫌がる子どものところに犬が寄り添ったり、手術室まで犬がついて行ったりして子どもの不安を軽減するなどの仕事をしています。
筆者は、毎日、犬と接していますが、人にはない温かみや癒やしを与えてくれる動物ですね。読書犬は、本を読むということにもこのように人のために働いてくれるのです。
コロナ禍で、犬を飼う人も増えているので犬に対する理解が広まり日本でも読書犬が増えるといいですね。