Yahoo!ニュース

オープン戦の最高勝率チームは、約半数がCSへ進めず。直近4年の1位はいずれもシーズン勝率5割以下

宇根夏樹ベースボール・ライター
2020年のオープン戦/東京ヤクルト対読売 February 29, 2020(写真:ロイター/アフロ)

 昨年のオープン戦で、広島東洋カープは12球団最高の勝率.667(8勝4敗4分)を記録した。一方、レギュラーシーズンは勝率.500(70勝70敗3分)。リーグ4位に終わり、CS(クライマックスシリーズ)進出を逃した。

 オープン戦の最高勝率チームが、その年のCSへ進めなかったのは、昨年の広島東洋が初めてではない。6チーム目だ。CS進出は7チームなので、割合としてはほぼ半々となる。

筆者作成
筆者作成

 また、2016年以降の4チームに限れば、CSへ進んだのは2018年の読売ジャイアンツしかない。この年の読売も、CSに進出したとはいえ、オープン戦の勝率.688(11勝5敗1分)に対し、レギュラーシーズンは勝率.486(67勝71敗5分)の3位だった。オープン戦の最高勝率チームは、4年続けてレギュラーシーズンで勝ち越せていない。

 オープン戦の最高勝率チームに限ったことではない。2007~19年の計156チーム(12チーム×13年)中、オープン戦で勝率.600以上は49チームを数える。そのうち、42.9%の21チームはCS進出を逃した。レギュラーシーズンで勝ち越せなかったのも、同じく21チームだ。

 とはいえ、オープン戦で勝率.400以下の47チーム中、CSへ進んだのは36.2%の17チーム。レギュラーシーズンの勝ち越しも17チームだ。オープン戦の勝率が.600以上のチームと.400以下のチームを比べると、CS進出もシーズン勝ち越しも、割合は前者の方が高い。

 なお、オープン戦で12球団最低の勝率だったチームがCSへ進んだのは、2008年の読売だけだ。オープン戦は勝率.167(2勝10敗3分)に終わったが、レギュラーシーズンの勝率.596(84勝57敗3分)は、パ・リーグを含めた12球団のなかで最も高かった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事