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ABC本塁打ランキング/シーズン記録編。大谷翔平の46本は「O」の歴代3位

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Aug 14, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、2021年に46本のホームランを打った。これは、ナ・リーグとア・リーグ、あるいは1シーズンに両リーグでプレーした選手の歴代トップ100には入らない。107位タイだ。ただ、ラストネームのイニシャルごとに分けると、「O」の3位にランクインする。Ohtani=イニシャル「O」だ。大谷の上には、54本(2006年)と47本(2005年)のデビッド・オティーズしかいない。

 ニグロリーグのみでプレーした選手を除く、各イニシャルのシーズン本塁打トップ3は、以下のとおり。「X」だけは、投手もいない。

筆者作成
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 2021年のトップ3入りは、大谷を含めて4人だ。48本のサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)が「P」の2位、39本のブランドン・ラウ(タンパベイ・レイズ)が「L」の3位タイ、33本のマイク・ズニーノ(レイズ)は「Z」の3位タイにランクインした。大谷は、それまで「O」の3位にいた、42本のメル・オット(1929年)を上回った。

 ペレスと本塁打王を分け合ったブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、「G」のトップ3どころかトップ5にも入らない。9位タイだ。ちなみに、父のブラディミール・ゲレーロは2000年の44本が最も多く、こちらは20位タイ。記録した当時でも、17位タイだった。

 55本塁打でもトップ3に入らないのは「G」だけでなく、「M」と「R」と「S」もそうだ。一方、「I」と「Q」と「U」は、40本塁打以上が一人もいない。

 また、本数は対照的ながら、「Q」と「S」は、どちらも1人の選手、それぞれ、カルロス・クエンティンサミー・ソーサが、トップ3を独占している。「Q」はトップ3に加え、4位も21本のクエンティン(2009年)。5位にようやく、20本のマーク・クイン(2000年)が顔を出す。ソーサに次ぐ「S」の4位は、2017年に59本のジャンカルロ・スタントン(当時マイアミ・マーリンズ/現ニューヨーク・ヤンキース)だ。スタントンのこの本数は、イニシャルを問わず、2002年以降のメジャーリーグで最も多い。球史全体でも、9位タイに位置する。

 ABC本塁打ランキングの通算編(2018年終了時点)は、こちらで書いた。各イニシャルの1位のうち、「E」は当時と現時点の選手が異なる。エドウィン・エンカーナシオン(424本)が、ダレル・エバンス(414本)を追い抜いている。

「ABC本塁打ランキング。Aの最多はアーロン、Bはボンズ、Cはカブレラ、Dはデルガド……Zはジマーマン」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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