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デビュー以来21連勝中のWBOウエルター級6位

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 WBOウエルター級6位にランクされるカナディアン、コディー・クロウリー(29)がデビュー以来無傷の21連勝(9KO)を飾った。

 身長178センチ、リーチ183センチのサウスポー、クロウリーのこの日の対戦相手は、38勝(21KO)8敗の37歳、ホセシート・ロペス。ロペスはこれまでに、サウル・"カネロ"・アルバレス、マルコス・マイダナ、アンドレ・ベルト、キース・サーマンといった、名のある選手と対戦し全て敗れている。

 カリフォルニア州リバーサイド出身のロペスは、当地のロッキーと呼ばれているが、咬ませ犬感が漂っていた。

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 第7ラウンドにダウンを奪ったクロウリーが、99-90、98-91、98-91でワンサイドの判定勝ちを収めた。両者には、力の差があり過ぎた。

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 既にピークを過ぎ、世界戦線から大きく後退しながらも、リングにしがみつくロペスの姿には、哀愁が漂っていた。ダウン後にペースダウンしながらも、ファイティングポーズをとり、必死でパンチを振るうロペスではあったが、この日も勝利の女神は微笑んでくれなかった。

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 試合後、勝者は言った。

 「世界タイトルをカナダに持って帰りたい。国全体が俺をサポートしてくれる。(NBAの)トロント・ラプターズが勝った時のようさ。期待にこたえたいね」

 WBO6位まで上ってきたクロウリーは、上を目指すのであれば「勝利して当然」の相手ではなく、危険な世界ランカーと拳を交えるべきではなかったか。私には、ロペスが痛々しくてならなかった。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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