一生に一度は浸かりたい!「にごり湯を楽しめる温泉地」5選
温泉はそれぞれが個性をもつ。わかりやすいのが湯の色だろう。全国各地を回っていると、白や緑、茶、青、赤などさまざまな色の温泉があることに気付く。別府の地獄めぐりをすれば一目瞭然だ。
「温泉はにごっていないと入った気がしない」という人は少なくない。にごり湯は温泉情緒を演出する効果がある。たしかに個性的な色の源泉につかると「ああ、はるばる温泉にやってきたなあ」と満たされた気持ちになるだろう。
そこで、今回はにごり湯が楽しめる温泉地を5カ所紹介したい。源泉かけ流しで、鮮度の高い湯ばかりである。
奥塩原元湯温泉(栃木県)
塩原温泉郷のひとつで、奥塩原新湯温泉よりもさらに奥に位置する。3つの温泉宿で構成される小さな温泉地だが、緑色の濁り湯をもつ「元泉館」、乳白色の間欠泉が自慢の「ゑびすや」、珍しい黒色の源泉が湧く「大出館」と、それぞれ個性的な濁り湯をもつので、泉質を重視する人ほど、どこに入浴しようか迷ってしまうはずだ。なかでも大出館は、黒色と緑色の湯船が隣り合う貴重な光景を目の当たりにできる。
乳頭温泉郷・鶴の湯(秋田県)
日本を代表する秘湯といえば、乳頭温泉郷が真っ先に思い浮かぶ。なかでも江戸時代にタイムスリップしたかのような風情が漂う「鶴の湯」は、乳白色の濁り湯が人気である。複数の源泉をもつが、最も絵になるのは混浴の露天風呂。足元から源泉がぷくぷくと湧き上がる貴重な源泉である。湯治場を連想させる鄙びた内湯のにごり湯も美しい。
熊の湯温泉・熊の湯ホテル(長野県)
標高1700m、志賀高原にある熊の湯ホテルは、黄緑色のにごり湯が名物。硫黄の香りを放つ硫黄泉がかけ流しにされている。緑色のにごり湯は他にもあるが、「入浴剤を入れたのでは?」と疑いたくなるほど、美しいエメラルドグリーン色をしている。岩手県の国見温泉に匹敵するエメラルドグリーンのにごり湯である。
わいた温泉郷・豊礼の湯(熊本県)
山あいに名湯が点在するわいた温泉郷にある一軒宿。「ホワイトブルー」と称される美しい色の濁り湯がかけ流しにされており、温泉ファンも納得する泉質を誇る。涌蓋山が見える露天風呂からの眺望は、まさに絶景。露天風呂のほかにも、景色がすばらしい「貸切風呂」や源泉の蒸気で食材を調理する「地獄蒸し」の施設も備えており、温泉三昧の時間を楽しめる。
雲仙温泉(長崎県)
標高700m、雲仙国立公園内にある温泉地。明治以降はアジア在住外国人の避暑地として栄えた高原リゾートである一方、雲仙地獄などの荒々しい自然を間近に感じることができる。その地獄地帯を源とする温泉は豊富で、宿泊施設のほか共同浴場でも乳白色の湯をかけ流しで堪能できる。なお、時期や天候などの条件によって透明や灰色などに色が変化することもあり、まさに自然任せの湯である。特に日帰り施設「小地獄温泉館」は、目が覚めるような鮮やかな乳白色だ。