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【秋田県横手市】11月20日閉店!横手で長年愛されたサッポロラーメン直送の店『味の大公』とは?

KANEYANライター/地域クリエイター(大仙市・横手市・仙北市・仙北郡)

創業から約45年!横手駅近くの老舗食堂『ラーメン 味の大公』とは?

横手駅の近くに、まもなくその歴史に幕を下ろす一軒の老舗食堂がある。創業から約45年を数える『ラーメン 味の大公』である。

ラーメン 味の大公
ラーメン 味の大公

その年季の入った紫色の暖簾をくぐると、店内は仕事の休憩時間中の方やご近所の常連さんで賑わっていた。テーブル席の隅に設置されたテレビからは昼のバラエティ番組が流れ、本棚にはサラリーマン金太郎がコンプリート。店員さんと常連さんの会話は地元色強めで、メニューは豊富でボリューミー。そう、これだ。これが古き良き食堂の姿だ。

そんなことを思いながら、腹ペコの私はテーブルに置かれていたメニューに目をやった。

品書き

品書き
品書き

麺類

みそラーメン:700円、しょうゆラーメン:700円、しおラーメン:700円、野菜ラーメン:750円、スタミナラーメン:850円、チャーシューめん:850円、ギョウザラーメン:850円、とんかつラーメン:900円など。

飯類

チャーハン:550円、カレーチャーハン:700円、焼肉チャーハン:750円、カレーライス:600円、カツカレー:800円、オムライス:700円、中華丼:750円、焼肉丼:700円など。

定食

野菜炒め定食:800円、からあげ定食:900円、レバニラ定食:850円、焼肉定食:900円、ラーメン定食:900円、焼きそば定食:850円など。

セット

カレーセットA(カレーライス+半ラーメン):900円、カレーセットB(ラーメン+半カレーライス):900円、ラーチャーセット(ラーメン+半チャーハン)チャーメンセット(チャーハン+半ラーメン):900円など。

ラーメンにご飯と焼肉が付く漢メシのラーメン定食や、隣の席のお母さんが食べていた昔ながらのオムライスも気になったが、今回私がチョイスしたのはラーメンとチャーハンをダブルで味わえるラーチャーセットだ。ちなみにラーメンの味は自由に選ぶことができるため、私はみそラーメンをお願いした。

横手で長年愛され続けた伝統の味!『味の大公』のみそラーメン&チャーハンとは?

ラーチャーセット:900円
ラーチャーセット:900円

ラーチャーセットが到着。見た目はいずれも昔気質の食堂メシだが、札幌の西山製麺を使ったみそラーメンは、モッチモチの麺が特徴的であっさり味だがコクがあるスープとの相性も良い。

モッチモチの麺が特徴のみそラーメンだ
モッチモチの麺が特徴のみそラーメンだ

具材はチャーシュー、メンマ、モヤシ、ネギと至ってオーソドックスだ。だがこの奇をてらわない正攻法なアレンジこそが、長い間横手の老若男女に愛された秘訣のひとつではないだろうか。

具材はオーソドックスだが、これがいい!
具材はオーソドックスだが、これがいい!

そして隣のチャーハンはまさに実家のオカンのような安心感だ。細かく刻まれたハムや玉ねぎ、アクセントになっている玉子、県南の店らしく隅にはしっかりと福神漬け。コレだよ、コレ。コレでいいのだ。……とバカボンのパパの昭和の名言を昭和の店で呟きながら、私はノスタルジックなラーメンとチャーハンを交互に口へ運んだ。

チャーハンは実家のオカンのような安心感だ
チャーハンは実家のオカンのような安心感だ

「やめるって、ほんとだが?」「なして、やめる?」「やめるまで、もう一回くるがらな!」

昭和に始まり、平成を駆け抜け、令和へと続いた横手の人情食堂にはこんな言葉が飛び交っていた。子供の頃からいつでもそこにあった町の食堂。店の方々がお客さんと育んできた歴史は、もはや横手という町の歴史でもあるように思えた。

あの素晴らしいラーメンとチャーハンをもう一度。閉店まであと一ヶ月を切ったが滑り込みでこの店のファンになった私は、その日が来るまできっとまた足を運ぶことになるだろう。

ラーメン 味の大公は11月20日をもって閉店予定だ
ラーメン 味の大公は11月20日をもって閉店予定だ

【店舗情報】
ラーメン 味の大公
住所:秋田県横手市前郷一番町12-45
営業時間:11時~20時30分(ラストオーダー:20時)
電話番号:0182-33-2342
定休日:水曜日

ライター/地域クリエイター(大仙市・横手市・仙北市・仙北郡)

大仙市在住のWEBライター。趣味は酒場巡り。現在はYahoo!で地域情報を発信しているほか、秋田市のフリーペーパー「あおぽ」でグルメ記事の執筆や「大仙経済新聞」の運営にも携わっています。

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