左手の小指を骨折している左投手が、3イニングを投げる
5月1日、先発マウンドに上がったヘスス・ルザード(オークランド・アスレティックス)は、最初の2イニングを0点で終わらせた。だが、3イニング目は、2失策と2暴投が絡んで6失点(自責点3)。4回表からは、違う投手が投げた。
この日のルザードは、いつもより制球が不安定だった。当然かもしれない。敗戦投手となった試合後、X線検査を受けたところ、左手の小指の骨に亀裂が入っていた。翌日、ルザードは故障者リストに入った。
通常、登板後にX線検査は行わない。これには、理由がある。
ボブ・メルビン監督は、会見でこう語った。ルザードは試合前にビデオゲームをしていて、机に左手をぶつけた。少し痛みがあるということで、トレーニング・スタッフがチェックした。ケージで投げさせたところ、彼自身もトレーニング・スタッフも支障はないと判断した。
ルザードは、メジャーリーグ3年目の23歳だ。平均95マイル強のシンカーと4シームに、チェンジアップとカーブを交える。
昨シーズンが始まる前のプロスペクト・ランキングでは、ベースボール・アメリカとベースボール・プロスペクタスのどちらからも、全体9位に挙げられた。また、約1年前に、NBCスポーツ・カリフォルニアの解説者、シューティ・バビット――1981年にメジャーリーグ出場54試合の二塁手。長年にわたってスカウトを務めた――が「ヤング・ヨハン・サンタナ」と称したように、サイ・ヤング賞2度の左腕と比べられることが多い。サンタナは、「パラシュート・チェンジアップ」を決め球としていた。