動物病院の治療費が高い理由4つ!ペット保険は加入したほうがいい?
近年はペットとして犬や猫を迎える人が増え、その分動物病院の利用も増加しています。しかし毎回動物病院の治療費は高額になることが多く、飼い主にとって大きな負担となることでしょう。
そこで今回は動物病院の治療費が高い理由を4つと治療費の負担を減らす「ペット保険」の加入について紹介します。ペットの治療費に悩む飼い主さん必見の内容です。
1.動物病院の治療費が高い理由4つ
1‐1.自由診療だから
動物医療は人間の医療と異なり、公的な医療保険制度がありません。そのため診療費は各動物病院が自由に設定できます。同じ治療内容でも、病院によって費用が大きく異なることがあるのはこのためです。
患者数や立地、人件費や検査機器の維持費など。ほかには高額医療を提供する動物病院では、専門機器や専門家の獣医師が診察していることが多く、その分治療費が高くなることがあります。
1‐2.人の病院と比べると受診数が少ない
ペットの治療費は自由診療で高額なため、人のように「ちょっと鼻がでるから病院に行こう」と「気軽に受診」することはあまりありません。
また動物自身が不調を訴えるどころか不調を隠す生き物であるため、飼い主も異変に気づかず動物病院を受診するに至らないのです。
そのため1匹あたりの診察費を高めに設定しなければ、動物病院の運営が難しくなってしまいます。
1‐3.動物医薬品が高額
動物病院では診察後にお薬を処方してくれますが、その際に使う薬の種類によっても治療費に影響してきます。
というのも、人薬に比べて動物医薬品は原価が高いためです。病院によっては整腸剤や痛み止めなどで人薬を使用して、なるべく薬代を抑える病院もありますが、動物医薬品しかない場合は高額ですがそれを使うしかありません。
このように人薬を使うか動物医薬品を使うかという点でも、合計の治療費に大きく影響してくるというわけです。
※人薬といっても全ての薬が動物に使えるわけではありません。そのため、人薬を自己判断で動物に与えるのは控えてください。
1‐4.検査項目が多くなりがち
人であれば具体的に症状を説明できるので、たいていの場合は問診・触診で終わるケースが多いです。しかし「言葉を話せない+不調を隠したい」動物相手では、なかなか診断を下すのも難しいもの。
そのため便・尿・血液検査や場合によってはエコーやレントゲンといった検査も行うことも少なくありません。もちろん検査項目は獣医師の判断に基づいて行われるので、必ずやるという訳ではありません。
不安があれば事前に料金についての説明をしっかり聞くと良いでしょう。
しかしこれらの検査を追加で行うとなると、数万円の治療費が請求されることも。しかたのないことですが、明細をみてびっくりする飼い主さんはあたりまえに多いものです。
2.ペット保険には加入すべき?
動物病院で働いていたときによくされた質問は「ペット保険って加入したほうがいいですか?」というもの。これに対しての答えは飼い主さんの気持ちや経済状況によりけりなので「どっちもいえない」です。
非常に中途半端な答えですが、結局は生涯病気知らずであれば「保険料無駄だったね」となりますし、反対に大病を患うとその都度の負担額が減るため「保険に入っておいて良かったね」となるわけです。
以下はわたしの個人的な意見なので、参考としてお読みください!
前提としてペット保険に入っていてもたいていの場合は「損」することになります。たとえば保険負担額や保険使用回数に制限があったり。しかしそれは保険会社も会社の利益になるようにしないといけませんから、しかたありません…。
そのため保険に加入するのは「損か得か」ではなく、万が一のときの経済的リスクをふまえて「安心を買うか買わないか」という基準をもつようにしましょう!
先にも述べた通りペットの治療費は一回で高額になることが多いもの。高頻度ではないですが、「がん」といった大病を患えば数か月で50万円以上必要なこともあります。このような場合を想定すると保険に加入して「安心を買う」のもいい選択肢です。
とはいえ「損するとわかって毎月保険料を支払うのはなあ」と思う人もいます。そんな考えをもった飼い主さんのなかには「保険料を毎月支払うのなら同じ分だけペット貯金にして、万が一のときのために貯めています」という人もいました。
つまりペット保険は「病気になったときに幅広い治療を選択できるための経済力があるかどうか」がポイントで、たとえ治療費が高額でも貯金からスッと出せるのであれば保険は不要ですし、不安があるなら「安心を買う」意味で加入しておくといいといえます。
3.まとめ
動物病院の治療費は、自由診療・医療機器の設備維持費や専門知識を持つ獣医師・スタッフの人件費・(人と比較すると)診察数の少なさといった理由から飼い主の負担額は大きくなります。
一方ペット保険加入は、一概に「お得」ではありません。そのため「入ったほうが良い!」とは必ずしもいえないもので、十分に検討してから加入を決めてもらいたいです。
いずれにせよ病気になるかもしれないペットと長い人生を幸せに過ごすには、貯金であれペット保険であれ、経済的にもしっかりした備えが重要となります。