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「無理に結婚しない」が41.3%! なぜ20代30代の未婚男女は結婚に前向きでなくなったのか?

村上れ以子成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者
(写真:アフロ)

結婚はしない? 内閣府調査で「無理に結婚することはしない」が41.3%と最多

政府は6月22日午前の閣議で、2015年版の「少子化社会対策白書」を決定。

内閣府の結婚・家族形成に関する意識調査の一部が2015年版の少子化対策白書に盛り込まれることになりました。

20~30代の恋人がいない未婚男女が、適当な相手にめぐりあわなかった場合の対応として「無理に結婚することはしない」が41.3%で最多となり、2位の「いろいろな方法を使って結婚相手を探す」の29.5%を引き離したそうです。

「恋人として交際する上での不安は何か」の回答に「そもそも出会いの場がない」(55.5%)が最も多く、一方で恋愛が面倒だから「今は恋人が欲しくない」と答えた人も少なからずいたとのこと。

こうした傾向は、若者の晩婚化・非婚化に拍車をかける恐れもあり、内閣府は「各自治体を通じて出会いの場を提供するなどさらなる対策を講じていきたい」と説明。調査結果を同日に閣議決定された平成27年版「少子化社会対策白書」に盛り込んだようです。

出典:恋人いない20~30代「出会いの場がない」55% 「恋愛が面倒」回答も 内閣府「少子化白書」(産経新聞)

20~30代は、なぜここまで結婚に前向きでなくなったのでしょうか?

結婚や婚活を妨げるメディアのネガティブキャンペーン?

若い世代が結婚に前向きでなくなった原因の一つは、

たとえば最近、立て続けに目にした、「結婚とコスパ」の記事。

  • 5月22日毎日新聞(東京朝刊)一極社会:第2部・東京で生きる/4 結婚「コスパ悪い」 「恋愛の価値」低下 高い物価、将来不安
  • 6月22日発行AERA【大特集】「結婚はコスパが悪い」

(前略)

「結婚にはメリットがないと思うんです。だって、コスパが悪いですよね」。都内在住の公務員、佐々木健一さん(26)=仮名=は、コストパフォーマンス(費用対効果)の略語を使って、結婚しない理由を冗舌に解説する。「きれいでかわいい人といられるのはプラス。ただ、きれいというのは年々下がるし、特定の相手に一生縛られ続けるのはマイナス。2人分の生活費もかかる」

大学進学で上京。1988年生まれで、バブル景気の記憶はない。「ぼくらは日本のいろんなものが崩れていくのを見てきた世代。不景気が当たり前だった」と話し、結婚でさえ、損得勘定で考えると明言する。

(後略)

出典:一極社会:第2部・東京で生きる/4 結婚「コスパ悪い」 「恋愛の価値」低下 高い物価、将来不安(毎日新聞)

まるで、結婚に対するネガティブキャンペーンかのように見えますね。

ただ、内容をよく読むと、毎日新聞は

「少子化が進む東京は、地方に比べて物価が高く、とりわけ、家賃が高い。恋愛や結婚にも経済事情が影を落としているので、ひずみを取り除く手立てが、少子化対策の一歩になるのかも」

と問題点をあげ、少子化対策となるかもしれない一例を掲載していますし、AERAも、結婚を意識しながらも婚活に至らない数人のコメントを中心に組み立てた独特の価値観を提唱した記事からスタートしており、「嫌婚の正体」と名づけながらも、非婚と割り切れない男女の苦悩を紹介しているようにも読めます。

それが、読者の興味を引くための見出しになると、どちらも「結婚はコスパが悪い」となり、その言葉だけが、あたかも結婚へのネガティブキャンペーンのように独り歩きしてしまうのです。

20代30代だけではない、アラフォー以下の世代が結婚に前向きになれない?! その理由とは

考えられるもう一つの理由は、世の中の状況に起因するものです。

実は、20代30代だけでなく、20代後半から40代前半までの独身者には、結婚に前向きになれない原因と思われる、ある共通点が存在します。

団塊ジュニア世代と呼ばれる1971-1974年生まれ(今年44~41歳)以下の世代は、社会に出る際に就職氷河期に遭遇しているのです。

学校を出たら順調に就職して終身雇用・・・という、それまでの常識的な人生設計図は崩れ、頑張っても頑張っても報われない状況に陥ったアラフォー世代で、こう考えた人は多かったでしょう。

「せっかく受験戦争に勝ち抜いたのに、思ったとおりの就職ができなかった」

「こんなはずじゃなかった」

と。

さらに、この不況や就職難が長引いたため、アラフォーより下の20代30代にいたる頃には、夢すら見られなくなったかと。

毎日新聞の記事(前出)で都内在住の公務員、佐々木健一さん(26)=仮名=も

「ぼくらは日本のいろんなものが崩れていくのを見てきた世代。不景気が当たり前だった」

と語っていますよね。

結婚に対しても、

「自分は結婚できないのではないか」

「自分には魅力がないのではないか」

「どうせ人生うまくいかないだろう」

と、最初から諦めているように見うけられます。

失われた20年や就職氷河期という、世の中の大きな流れの中で、諦めること、悟ることを知らざるを得なかった世代は、明るい未来や人生に淡い期待すら抱けなくなったようです。

実は、アラフォー以下の世代にとって、もう1つ、ネックがあります。

親(団塊~バブル)世代が順風なサラリーマン生活を歩んできたこと、です。

親世代の中には「それが当然」と考えている人もいるようで、就職や結婚がうまくいかない子どもを卑下したり、厳しい言葉をかけるパターンも。

子ども世代にしたら、自分で自分の就職や結婚が順風でないことを認識し、現実と理想の間で子ども世代なりに折り合いをつけようとしているにもかかわらず、親から“追い討ち”をかけられるわけです。

こういう悪循環が、さらなる諦めや悟りどころか思考停止を生み、結婚への行動どころか、前向きな気持ちさえ、萎えさせてしまうように感じます。

婚活現場からのメッセージ

婚活を考えて結婚相談所に足を運ぶ独身者がよく口にするのが、

「仕事が忙しくて、気付いたらこの年齢になっていたんです」

「出会う場所も時間もないんですよ」

「周囲は既婚者ばかり」

といった内容です。

仲人や婚活アドバイザーは日々、若い世代に出会いの場が極端に減っている現実を目の当たりにしています。

それでも、多くの、アラフォー以下世代以下20代30代は、出会いがないことに気付きながら、ネガティブキャンペーンに見える報道などを真に受けて

「結婚はそんなに良いものでもないようだ。適当な相手が出てこないならしなくてもいいだろう」

と諦めたり、

思考停止によって今後の人生設計やリスク管理について深く考えることを放棄し、何もせず、何も決めずに流されていくのです。

あなたは、思考停止して世の風潮に流されたり、根拠なく「いつかは(結婚)できる」と高をくくっていたりしていませんか?

自分で動かないと適当な相手が出てくる確率はきわめて低い時代です。

それに、結婚って、そんなに悪いばかりのものではありません。

幸せな結婚をしている人、周囲にいませんか?

職業柄、多くの成婚(結婚相手と出会うことやプロポーズの成功を結婚相談業界ではこういいます)を見てきましたが、不幸な顔、残念な顔で成婚していく人はいません。

皆さん、未来への希望を胸に結婚相談所を巣立ち、しばらくすると、幸せそうな笑顔で結婚報告や出産報告をしてくれます。

これからの人生で今が一番若い、は婚活業界でよく使われる言葉ですが、もし「結婚したい」気持ちがどこかにあるのなら、20代30代だけではなく、どんな年齢だとしても、「いろいろな方法を使って結婚相手を探す」ことを今すぐ考え、実行したほうがいいでしょう。

自分の未来について考えることを先延ばしにするのは、もう終わりにしませんか?

成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者

キャリア5年で成婚数、成婚率とも東日本1位仲人士に。17年間のスポーツ担当記者時代に取材した国内外トップスポーツ選手・コーチの必勝ノウハウを婚活にいかし、難しいといわれる30代・40代・50代の中高年と親の婚活で、通常の8倍の割合で会員を成婚に導く。慶應義塾大法学部政治学科卒業。既婚、二児の母で、趣味は子どものスポーツ応援。

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