来週は本州付近で梅雨本番並みの大雨が始まるおそれ 早めの備えを
週明けまでは季節並みの気圧配置
今年のGWは上空の寒気の影響で不安定な天気が続き、それが過ぎると季節が進み、5日(水)こどもの日には、顕在化した梅雨前線の影響で、沖縄と奄美地方で梅雨入りの発表がありました。
この梅雨前線はこれから週明けにかけて南西諸島付近に停滞するため、季節並みの気圧配置が続く見込みですが、その後は一転して本州付近に北上してくる見込みで、本州付近でも梅雨本番並みの大雨が一気に始まるおそれがあります。
ではなぜ梅雨前線が北上してくるのか?それは夏の太平洋高気圧が一気に勢力を拡大する予想となっているからです。
まるで本州付近で梅雨本番、沖縄で真夏のような気圧配置に
上図は夏の暑さをもたらす太平洋高気圧とその北側に位置する梅雨前線の予想を示したものです。
南の太平洋高気圧に注目すると、週明け10日(月)の時点では、まだ沖縄の南海上にとどまっており、沖縄付近には梅雨前線の雨雲がかかっています。
ところが12日(水)になると、沖縄付近へ徐々に勢力が強まり、その後来週末の15日(土)以降は、沖縄付近をすっぽりと包み込むほどに一気に勢力が拡大する予想です。
このため、太平洋高気圧の北側に位置する梅雨前線も沖縄や奄美地方からは北上し、本州付近に位置する状態となるため、本州付近が雨雲の通り道となりそうです。
まるで5月半ばにして、本州付近が梅雨本番、沖縄付近が真夏のような気圧配置となる予想です。
危険な暖湿気も流れ込む予想
上図は気温と水蒸気を合わせたような指標で、数値が高ければ高いほど、水蒸気をたっぷりと含んだ暖かい空気であることを示しています。
一般に330K以上でも大雨のポテンシャルはかなり高いのですが、17日(月)に西日本へ流れ込む345K以上の暖湿気は梅雨末期に降るような大雨をもたらしかねない危険度の非常に高い暖湿気と言えます。
この暖湿気が梅雨前線付近の強い上昇流域に流れ込むと、より活発な雨雲が発生し、過去に被害が発生したような集中的な大雨につながってしまうおそれもあるため、来週以降は、西日本を中心に、本州付近でも大雨に対する早めの備えが必要となりそうです。
鹿児島は梅雨入りある?
ウェザーマップが発表した最新の16日間予報によると、これまでの計算を反映して、鹿児島は来週11日(火)以降、傘マークばかりの予報となっており、梅雨入りを発表してもおかしくないような雨天が続く見込みです。
ただ九州南部の梅雨入り平年日は5月30日で、まだ記録的に早いため、発表はないかもしれませんが、梅雨入りするしないにかかわらず、大雨に対する長丁場の警戒がスタートすることになるでしょう。
一方、太平洋高気圧の勢力下に入る那覇は、まるで梅雨明けしたかのような夏空が続く予報となっています。とはいえ、梅雨明けを発表することは時期的にまずありませんが、しばらくは空梅雨傾向が続く見込みです。