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打率6割超!横浜高出身ルーキーのホークス増田珠「やっと第一歩」

田尻耕太郎スポーツライター
試合後のベースランニングでも声を張り上げながらダッシュ

古澤が2日で5打点

4月16日、ソフトバンクの三軍は四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で高知ファイティングドッグスと対戦した。

【4月16日 定期交流戦 タマスタ筑後 166人】

高知     004000120 7

ソフトバンク 000200010 3

<バッテリー>

【FD】岡部、澁谷、古屋、嘉数――ハン・ソング、高田

【H】中村晨、田浦、斎藤、島袋、――張本、樋越

<本塁打>

なし

<戦評>

完敗だった。先発の中村晨は立ち上がりこそ力のある球で2三振を含む三者凡退で初回を抑えたが、2回以降は別人のような投球になった。3回につかまって4失点。5回まで投げたが、100球以上を費やした。2番手の田浦は好投したが、左腕の斎藤と島袋はいずれも失点しアピールはならなかった。

打線では2番に座った古澤が気を吐いた。4回に2点タイムリー、8回も古澤の適時打で得点しチームの全3打点を叩きだした。前日も2打点を挙げており、2試合で5打点と勝負強い打撃を見せた。(了)

「いつかはチームの顔に」ルーキー増田珠が踏み出した第一歩

「自然に収まるところで、トップを作るように」
「自然に収まるところで、トップを作るように」

 出遅れていたドラフト3位ルーキーの増田珠内野手が持ち前の打撃力でアピールしている。

 1月の新人合同自主トレの序盤に古傷の右手首に違和感が出たため、2月の春季キャンプもリハビリ組で過ごすなどしていた。4月2日の高知戦(高知)でようやく実戦初出場。「やっと第一歩を踏み出すことが出来ました」。初先発出場となった5日の徳島戦(アグリあなん)では2打数2安打2四球と活躍した。この日は代打での1打席のみだったが投手強襲のヒットで出塁。5試合で9打数6安打2四球、打率.667、出塁率.727と好結果を残している。

木製バットに対応

 横浜高校ではスラッガーとして鳴らし、昨夏の神奈川県大会では同大会新の4試合連発と同タイの5本塁打を記録した。しかし、ソフトバンク入団発表時の色紙には「2000本安打」と書き記し、「僕は中距離打者タイプだと思っている。ツボに入ったら大きな打球も打つけど、毎年3割を打つ打者になりたい」と語っていた。そんな将来を予感させる打棒をさっそく発揮している。

「高校時代は金属バットだったので、後ろを大きくとって、あとはボールに衝突させようと思って振っていました。今は木製バットなので打ち方を変えました。力まず、自然とトップを作ったところから最短距離でバットを出すことを心がけています。コーチにもそのようにアドバイスをしてもらっています」

元気と声も持ち味

 そして増田の持ち味といえば元気と声。「プロに入って内野手(サード)を守っていますし、課題だらけです。プレーで失敗する分、声を出していかないと。下を向いていたらチームにも悪い影響を与えてしまいます」。失敗を恐れずに思い切ったプレーをするためにも、ベンチではとにかく声を出すことを心がけている。

「チームの顔になりたい」

 松田宣浩に憧れて、「熱男になります。いや、『マスオ』ですかね」と笑う18歳。これからの成長が楽しみだ。

(写真は筆者撮影)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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