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フレッチャーの弟がメジャーデビューする。初打席は二塁打。兄はマイナーリーグで…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ドミニク・フレッチャー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)Feb 22, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月30日、アリゾナ・ダイヤモンドバックスは、ドミニク・フレッチャーをAAAから昇格させ、入れ替わりにアンソニー・ミセビッチをAAA降格とした。

 フレッチャーは外野手、ミセビッチはリリーフ投手だ。この前日、レフトを守っていたコービン・キャロルは、打球を捕ろうとしてフェンスにぶつかり、左膝を痛めた。今のところ、キャロルは故障者リストには入っていないが、外野手の「補充」として、ダイヤモンドバックスはフレッチャーを呼び寄せた。

 昇格当日、フレッチャーは、7回裏からライトの守備につき、メジャーデビューした。そして、直後の8回表に、左中間を破る二塁打を打った(9回表の2打席目は遊撃ゴロ)。

 フレッチャーは、2019年のドラフトで、ダイヤモンドバックスから2巡目・全体75位指名を受けた。WBCでともにプレーした、兄のデビッド・フレッチャー(ロサンゼルス・エンジェルス)は、2015年の6巡目・全体195位だ。ちなみに、デビッドのメジャーデビューは、2018年6月13日。最初の打席は投手ゴロに仕留められたが、2打席目に三塁打を打ち、3打席目と4打席目はシングル・ヒットを記録した。

 昨シーズン、ドミニクは、AAとAAAで計133試合(32試合と101試合)に出場し、打率.312と出塁率.378、12本塁打、10三塁打、35二塁打。今シーズンは、AAAの22試合で、打率.323と出塁率.417、3本塁打、4三塁打、5二塁打を記録していた。

 キャロルが故障者リストに入ることなく復帰すれば、ドミニクはAAAに送り返されるかもしれない。ただ、ドミニクではなく、センターを守っているアレック・トーマスが降格となってもおかしくない。メジャーリーグ2年目のトーマスは、ここまでの27試合で、打率.193と出塁率.269、2本塁打、1三塁打、4二塁打。ドミニクは、AAAで主にセンターを守っていた。

 一方、兄のデビッドは、4月20日からAAAで10試合に出場し、出塁率.319。デビッドに代わって昇格したザック・ネトは、遊撃を守り、出塁率.350を記録している。60打席で1四球(と打率.250)ながら、死球は7を数える。

 エンジェルスとダイヤモンドバックスは、6月30日~7月2日に3試合を行うが、フレッチャー兄弟がそこに揃うかどうかは、まだわからない。

 なお、エンジェルスのAAAとダイヤモンドバックスのAAA、ソルトレイク・ビーズとリノ・エイシーズは、4月18日~23日に対戦した。20日以降の4試合は、いずれも、フレッチャー兄弟がそれぞれのチームの1番打者として出場した。

 この4試合で、兄のデビッドは14打数2安打。4月20日は三塁打とシングル・ヒットを打ったものの、その後の3試合は無安打に終わった。弟のドミニクは17打数5安打。4月20日は無安打だったが、その後の3試合は、2安打、2安打、1安打を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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