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本当?「生活の党と山本太郎となかまたち」

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

無所属の山本太郎参院議員が生活の党に入党した。これを踏まえ、同党は26日、政治資金規正法に基づき、「国会議員5人以上」の政党要件を満たしたとの届け出を総務相に提出するとともに、党の名称を「生活の党と山本太郎となかまたち」に変更した。党代表は小沢一郎衆院議員が引き続き務める。

出典:「生活の党と山本太郎となかまたち」に党名変更

山本太郎議員が、生活の党へ入党することに対してはあまり違和感がなかったが、この政党名には違和感がありすぎる…。「生活の党と山本太郎となかまたち」だからだ。

本当? 目を疑ったが、複数のメディアで確認ができた。本当だ。

小沢一郎代表の生活の党もついに、政党要件を失ってしまい、山本太郎議員を招いて、ようやく国会議員5名という政党交付金を受け取れるギリギリの体制というところにこぎつけた。小沢一郎の人生で最大の苦渋の時だと思う。

無所属議員の、山本太郎のユニークな入党するための条件だし?

「生活の党」を「生活の党と山本太郎となかまたち」に変えるというアイデアはどちらからでたのだろうか?小沢陣営から出るわけはない…だとすると、山本太郎からだ。

この提案を、山本太郎からされた小沢一郎は、きっと自らの政治生命の凋落ぶりを痛切に感じたことだろう。一介の一年生議員にこんな政党名であればと、条件をつけられているからだ。

しかし、小沢が、それを認めたからこそ、こんな政党名になってしまった。

山本太郎としては、まさに「生活の党」に入党というよりも、生活の党を自分のものにしたという印象だ。

「生活の党と山本太郎となかまたち」

どんなやりとりであったのだろうか…小沢一郎、最大の苦虫をつぶした顔がカンタンに想像できる。他の3人の国会議員も同じ思いだろう…。なぜ新人議員の山本太郎の名前の下につらなるのか…。

山本太郎は、「ボクは別にずっと1人でもいいんですよ…別に…新党ひとりひとりで…」と言ったかもしれない。

小沢一郎はそこまでしてでも、政党維持にこだわった。壊し屋小沢一郎が、初めて保守的になったのかもしれない。不満を持つ他の議員を諭したかもしれない。政党用件をなくした時点で活動がむずかしくなるのを一番知っているのは小沢一郎だ。しかし、それはもはや、党としてのポリシーがないのも同然だ。

政党交付金をもらうための党になったとしか考えられない。

生活の党+山本太郎となかまたち なのだ。最後のなかまたちは誰をさしているのかが不明であるが…。生活の党のなかまでないことはたしかだ。

党名を因数分解すると、生活の党+山本太郎+なかまたち という3要素に党がこの時点で分裂している。

そして山本太郎はいつしか、この党の党首ととしての顔になるのは、この党名を見れば明確だ。その頃にこのなかまたちが誰のことを意味しているのが見える。おそらく野党再編のための受け入れ要素なのだ。

惜しむらくは、2014年、小沢一郎の時代がついに消えたことだ。総理に一番近かった男なのに…。政治の世界の趨勢は、誰にも先がまったくわからない本当に怖い世界だ。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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