なぜ?Appleは15年前のLGのCMを完璧に『リスペクト』してしまったのか?WWDC17から学ぼう
KNNポール神田です。
iPad Pro での不評をかった『Crush』のCMについて、Appleは他媒体の『Ad Age』において謝罪をおこなった。
1,510万人フォロワーのいるティムクックCEOのX.comにも、批判的なコメントが寄せられているが、謝罪する気配が現在のところはないようだ。
当然、ティムクックのx.comもティムクックが個人のみで運用しているとは考えにくいのでAppleの広報もどう対応すべきかを検討してティムクックへ進言しながら、判断を仰いでいるではないだろうか?もちろん、日本と米国との時差もある。
このCMだけでも、嫌悪感の多いコメントがあり、謝罪したのだったが、さらにAppleには都合の悪いことに、このCMそのものが、パクり…いや『リスペクト』しすぎた表現があったようだ。
しかも作品は15年前の同業種のLGのスマートフォンのCMだ。
Appleがリスペクトされるのならば、まだ理解できるが、15年も前のCMを、2024年の今頃、まったく同じコンセプトで創って公開して、非難を浴びるほど恰好の悪いことはない。
あまりにも、そっくりで、これを世界最高峰のクリエイティブなチームが…と思うと、本当にがっかりとしか言いようがない。しかし、これを15年も前に制作していたLGの広告チームのセンスの斬新さがすごい。
当然、当時は今日のような環境汚染意識もなかったころだから、まかり通るCMだったのだろう。
むしろ、2017年の自社のサービスが遮断されてしまったWWDCのオープニングビデオのモチーフのほうが路線としてはありだっただろう。
Appleのサービスがサーバから断線してしまい、世の中がアナログにもどってしまったらというパロディだ。
そうかつてのWWDCの開発者会議では、自虐的なパロディでアイスブレイクするという雰囲気があったのだ。
今年も来月2024年6月10日月曜日からのWWDCで、今回の失敗を自虐的に跳ね返すような、パロディで立ち直ってほしいと願う。それくらいのセンスがないと、ただ、単に自社製品と比較して、何倍速いという表現だけで製品が愛され続けるという未来はありえない。