台風21号 沖縄から台湾へ
宮古島・石垣島で猛烈な風と雨
台風21号は27日(日)午前9時現在、石垣島の東海上にあり、1時間に15キロという比較的ゆっくりとした速さで西寄りに進んでいます。
中心の気圧は925ヘクトパスカルで、3時間前と比べるとさらに20ヘクトパスカル低下しました。台風は最盛期を迎えています。
このあとも、西寄りに進み、28日(月)にかけて宮古島・石垣島にかなり接近するでしょう。石垣市では28日(月)午前6時から正午にかけ、暴風域(風速25メートル以上)に入る確率80%以上となっています。
予想される最大風速は45メートル(猛烈な風)で、瞬間的には65メートルに達するおそれがあります。先月の台風15号では石垣島で最大瞬間風速71メートルが観測され、電柱がなぎ倒され、軽乗用車が吹き飛ばされるなどの大きな被害があったばかり。
今回の台風21号でも、風や雨に対して厳重な警戒が必要です。
台湾を直撃か
台風21号の進路にあたる台湾でも警戒が強まっています。
台湾中央気象局によると、台湾の広い範囲で風が強まる見通しで、台北が暴風域に入る確率は82%です。
今年、台湾に影響した台風は6号、9号、10号、13号、15号で、今回の21号を加えると6個になります。1年間に台湾に影響する台風は平均すると(1985年ー2014年までの30年間)約6個ですから、今年は今のところ例年通りでしょうか。
今年8月、台湾を直撃した台風13号では、北部の竹子湖で492.1ミリの大雨を記録しました。490ミリというと東京で1年間に降る雨の3分の1に匹敵します。
台湾山脈が台風に影響?
台湾には標高が3500メートル級の山々が南北に連なる「台湾山脈」があります。台風はこの山脈を越えられるのでしょうか?
答えはノーです。
山脈の風下側では風が吹き降りるため気圧が下がり、風上側では逆に気圧が上がるため、台風の中心はあたかも山脈をジャンプするようにう回するのです。
山脈や陸地が台風の動きに影響する例は日本でもあり、たとえば、台風は中国山地や中部山脈、奥羽山脈を避けるように進むことがあります。
【お願い】
27日午前9時現在の台風情報に基づいています。台風情報は常に最新の情報をお使いください。
【参考資料】
台風解析の技術:気象庁,予報業務許可事業者を対象に実施した第1回講習会,平成21年10月29日
上野充,2007:数値モデルによる台風予測,2007年日本気象学会夏季大学
台湾中央気象局(www.cwb.gov.tw)