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ソフトバンク高橋純平の勝ち! 昨夏準Vのオリ佐藤世那と投げ合って2勝目

田尻耕太郎スポーツライター

釜元の決勝打でソフトバンク9連勝

7月7日、ホークス2軍はタマスタ筑後でバファローズと対戦して快勝。6月21日から続く連勝を9に伸ばした。

【7月7日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1078人】

オリックス  200000000 2

ソフトバンク 01110000× 3

<バッテリー>

【BS】●佐藤世(2勝2敗)、高木、小松――斉藤俊、赤松

【H】○高橋(2勝0敗)、星野、Sバリオス(1セーブ)――張本

<本塁打>

【H】カニザレス6号

<戦評>

ソフトバンクが逆転勝ちして9連勝を飾った。

2点を追いかける2回、6番カニザレスのソロで反撃すると、3回には満塁のチャンスで8番真砂がセンター前へはじき返して同点とした。続く4回はこの日4番の塚田が二塁打でチャンスメイク。ボークもあって1アウト三塁とすると5番釜元が勝ち越しタイムリーを放った。これが決勝打になった。

先発の高橋は制球に苦しみながらも2回以降は要所を締めて5回2失点で今季2勝目を挙げた。2番手星野は2回パーフェクトの快投。バリオスも2回を投げて2軍で今季1セーブ目をマークした。

オリックスは初回に3番ボクセビック、4番モレルの連続タイムリー二塁打で先制するも、それ以降のチャンスで決定打を欠いた。佐藤世は4回3失点も、2番手高木は2回完全の好リリーフを見せた。 (了)

高橋純平×佐藤世那、高校時代もなかった初対決

高橋純平、この日の最速は148キロ
高橋純平、この日の最速は148キロ
佐藤世那、豪快なフォームは健在
佐藤世那、豪快なフォームは健在

昨年の高校球界を沸かせた注目ルーキーの投げ合いが実現した。

高校ナンバーワン投手の呼び声高くドラフト1位で入団したソフトバンク高橋純平(県岐阜商)。

昨夏甲子園で東北勢初優勝まであと一歩の力投を見せた準Vエースのオリックス佐藤世那(仙台育英)。

試合前に先発オーダーが発表され、筆者がそれをツイッターで呟くと瞬く間に拡散されていった。人気芸人の博多華丸さんも素早く反応するなど、野球ファンにとって楽しみな一戦となった。

粘った高橋、崩れた佐藤

さて、両投手の投球内容は次のとおりだ。

投球内容

高橋純平 5回 91球 4被安打 3奪三振 4与四球 2失点

佐藤世那 4回 6被安打(1被弾) 6与四死球(死球1) ボーク1 3奪三振 3失点

先にマウンドに立ったのは高橋純平。立ち上がりは苦しんだ。先頭打者にフォアボール。際どいところを突くもボールと判定され、その後冷静なピッチングが出来ずに連続長打で2点を失った。2回以降も本調子とは思えない投球が続いたが、それでもゼロを並べるあたりが黄金ルーキーと言われる所以だ。5回2失点で勝利投手になった。

佐藤世那はそれ以上の制球難だった。初回は先頭から3連続四死球で無死満塁。そこは何とかゼロで切り抜けたが、2回と3回にもフォアボール絡みで満塁のピンチを背負い、失点を重ねた。4回に勝ち越された直前にはボークもあった。

この登板前までの成績は5試合2勝1敗。防御率6.14は褒められないが、22回で与四球9つとまずまずだっただけに、やはり本来の出来ではなかったのは残念だった。(了)

高橋純平、前半戦を振り返る

高橋の次戦はフレッシュ球宴(7月14日・倉敷)になる見込み。これが前半戦最後のマウンドになった。

ここまでを振り返り、「スタートが出遅れてしまった。投げ始めたのはここ1,2か月ですから、シーズンの初めから投げ続けている先輩たちの負担を減らせるような投球をしないといけない」とルーキーらしい発言。「自分の中では後半戦が、1年目の主体になると思っています」と力強く語った。他球団では小笠原慎之介(中日)、オコエ瑠偉(楽天)、平沢大河(ロッテ)と高卒ドラ1新人たちが1軍を経験している。高橋のデビューも待ち遠しいところだが、「こんな投球をしていてはまだまだ。投げるたびに課題がみつかり、それを潰してやってきたけど、今日はまた新しい課題がたくさん出た。(2軍にいる)この期間でたくさんの経験をしていかないといけないと思っています」と話した。

「相手は気にしなかった」

また、佐藤世那との投げ合いについては「向こうは準優勝投手だし、昨年の高校日本代表で一緒だった時も僕より長いイニングを投げている。経験値も実力も上だと分かっている相手。投げ合うのは初めてでしたが、戦うのはバッターなのであまり気にしなかった」と振り返った。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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