米国でピンタレストとインスタグラムの利用者が急増、フェイスブックとツイッターの利用者数は頭打ち
米国の調査機関ピュー・リサーチ・センターがまとめた米国人のインターネット利用実態リポートによると、同国では依然として「フェイスブック(Facebook)」が最も人気のあるソーシャルメディアとなっている。
だが、ここ数年の推移を見ると、コルクボードスタイルの画像SNS「ピンタレスト(Pinterest)」と、フェイスブック傘下の写真共有サービス「インスタグラム(Instagram)」の利用が急増している。
利用者比率、3年で倍増
インターネットを利用している米国の成人に、ピンタレストについて尋ねたところ、31%が同サービスを利用していると答え、2012年に行った同様の調査の数値、15%から2倍強に増えた。
またインスタグラムの利用者比率は28%となり、こちらも2012年時点の13%から2倍強となった。
ピンタレストとインスタグラムの利用者のうち、サービスを毎日使っているという人はそれぞれ27%と59%おり、両サービスを頻繁に利用しているこうしたアクティブユーザー層は、昨年9月以降急増したという。
一方でフェイスブックの利用者比率は72%で、ピンタレストやインスタグラムのそれを大きく上回っている。だがこの利用者比率は2012年時点で67%、2013年では71%、2014年も71%と推移しており、ここ数年大きな変化はない。
ただ、同サービスに毎日ログインする人は70%に上り、1日数回ログインする人も43%いる。フェイスブックは、アクティブユーザー数も他のサービスに比べ多く、利用者エンゲージメントは高いと、ピュー・リサーチは分析している。
これに対し、ツイッター(Twitter)の今年の利用者比率は23%だった。このツイッターの数値は2012年の16%から上昇しているものの、昨年の23%からは横ばい。ピンタレストやインスタグラムなど他のソーシャルメディアよりも低い水準にとどまっている。
米成人のインターネット利用者比率は85%
この調査は18歳以上の米国の成人を対象に電話で行った。全米50州とワシントンD.C.に住む合計1907人から回答を得ている。これによると現在の米国成人に占めるインターネット利用者の比率は85%、スマートフォンの利用者比率は67%という。
またこの電話アンケート調査に答えた人のうち、672人が固定電話で、1235人が携帯電話で回答した。後者の携帯電話で回答した人のうち730人は固定電話を持っていないという。
プライベートな交流が若年層に人気
なお、ピュー・リサーチは今回初めて、モバイルメッセージングアプリの利用実態について調査を行った。
それによると、36%のスマートフォン利用者がフェイスブック傘下の「ワッツアップ(WhatsApp)」や、先頃中国テンセント・ホールディングス(騰訊控股)から出資を受けたと伝えられたカナダの「キック(Kik)」、米アップルの「iMessage」といったメッセージングアプリを使っている。
また17%は「スナップチャット(Snapchat)」や「ウィッカー(Wickr)」のような短時間でメッセージが消えるアプリを使っている。
これらのメッセージングアプリはいずれも、フェイスブックやツイッターなどの従来型ソーシャルメディアと異なり、よりプライベートな交流環境を提供している。
こうしたサービスはとりわけ18〜29歳のヤングアダルト層に人気があると、ピュー・リサーチは報告している。
(JBpress:2015年8月21日号に掲載)