【NHL】明日今季の王者が決まる!優勝経験者が揃うボストンに「Mr.バウンスバック」が立ちはだかる!
昨年10月3日(現地時間)に開幕した今季のNHLは、1271試合に及ぶレギュラーシーズンを勝ち抜いた16チームが、プレーオフへ進出。
ベストオブ7(4戦先勝方式)による3つのラウンドを勝ち上がった東西両カンファレンスのチャンピオンが、スタンレーカップを目指して、激戦を繰り広げてきました。
▼8季ぶりの「ゲーム7」
イースタン カンファレンスを制したボストン ブルーインズと、ウエスタン カンファレンスを勝ち上がった セントルイス ブルースの対決となった今季のスタンレーカップ ファイナル(SCF)は、ともに3つずつ白星を手にして、明日(現地時間)ボストンのTDガーデンで行われる第7戦で、雌雄を決することに!
SCFが「ゲーム7(シリーズ最終第7戦)」までもつれるのは、実に「8季ぶり」となります。
▼優勝経験者が揃うボストン
掛け値なしの”大一番”となるだけに、経験の差も気になるところ。
というのもボストンには、明日の試合で現役選手最多となる「14度目のゲーム7(第7戦=プレーオフシリーズ最終戦)」に臨む、キャプテンのズデノ・チャラ(DF・42歳)を筆頭に、パトリス・バージュロン(FW・33歳)、デビッド・クレイチ(FW・33歳)、ブラッド・マーシャント(FW・31歳)ら、8季前にゲーム7までもつれたバンクーバー カナックスとのSCFを制した優勝経験者が健在!
シリーズが幕を開ける前に当サイトの記事で紹介したとおり、SCFが初めてとなる選手が多い中で、勝ち方を知っている''優勝経験者'’の存在は、大きなアドバンテージになりそうです。
▼経験値で劣る分は・・・
対するセントルイスは、SCFへ勝ち進んだのが1970年以来「49季ぶり」。
デビッド・ペロン(FW・31歳/前ベガス ゴールデンナイツ)のように、他チームでSCFを経験した選手はいるものの、経験値で劣るのは否めません。
しかも第7戦は、レギュラーシーズンのポイント(勝点)で上回るボストンのホームゲームとなるため、敵地に乗り込まなくてはなりません。
▼MLBの球場でパブリックビューイング
既にセントルイスでは、ボストンまで応援に行けないファンのために、ホームゲームを行っているエンタープライズ センターでパブリックビューイングを開催してきました。
しかし、初優勝を願うファンの想いは、19250人収容のアリーナのスタンドだけでは到底及ばず、第3戦と第4戦、さらに第6戦と、ダウンタウンエリアに多くの人たちが集結し大混雑に!
このような経緯から、最終戦は46000人収容のブッシュスタジアム(=MLBセントルイス カージナルズのホームグラウンド)で、パブリックビューイングを開催!
まさしくセントルイスの街の総力を結集して、ブルースを後押しすることになりそうです。
▼ルーキーGKに命運を託す
掛け値なしに”ブルース一色”に染まっているセントルイスのスポーツファンの期待を一身に集めているのが、GKのジョーダン・ビニントン!(タイトル写真/25歳)
ジュニアリーグ(OHL・オーウェンサウンド)でのプレーを評価され、2011年のドラフトでセントルイスから3巡目(全体88番目)指名を受けたビニントンは、実戦でアピールを続けてプロ契約を結び、NHL傘下のマイナーリーグ(AHL)で、オールスターゲームに出場。
しかし、セントルイスからは、なかなかお声が掛からず、AHLでキャリアを重ねてきました。
ところが、今季は開幕から低迷し、マイク・ヨー ヘッドコーチ(HC)が解任され、11月20日からクレイグ・ベルービー暫定HC体制となってから、チャンスが巡って来たのです。
▼「デビュー3試合目」で初勝利
レギュラーシーズン中盤にアフィリエイトのAHL(NHLの一つ下のリーグに相当)チームから昇格したビニントンは、リードを許した展開で2試合ほど途中出場したあと、1月8日のフィラデルフィアでの試合で初先発のチャンスを得ると、見事に完封勝利を達成!
「最初の試合だったけれど、自信に満ちていた」
チームメイトのジェイ・ボーミースターの言葉が示すとおり、堂々たるプレーぶりが、ベルービー暫定HCの評価も一気に高め、守護神の座を不動のものとしました。
▼「Mr.バウンスバック」
レギュラーシーズン中盤から、守護神の座を託されたビニントンは、プレーオフに入ってからも好セーブを続け、初めての大舞台ながら、SCF進出に大きく貢献!
王者を決めるSCFを迎えてもプレーは冴え続け、第4戦ではマット・マリー(ピッツバーグ ペンギンズ)が持つルーキー記録を塗り替える「38セーブ(1失点)」の大活躍で、勝利の立役者となりました。
そんなビニントンの強みは、連敗が少ないこと!
初めてのプレーオフながら、これまで25試合に先発し、連敗を喫したのは「2回だけ」。
それも2連敗が最長で、敗れた次の試合の成績は「7勝2敗」。
名ゴーリーとして名を馳せた歴代の守護神たちに匹敵する数字を残しています。
「連敗をしないのは大きな強みだ」
ベルービー暫定HCがビニントンを評した言葉は、信頼感が伝わる称賛の言葉に他なりません。
▼敵地での最終戦もお構いなし!
明日の最終戦は、敵地での戦いとなりますが、既にルーキー記録を更新する「ロードゲームで9勝」をマークしているだけに、敵地での最終戦の心配は杞憂に終わりそう。
以前は絶対的な守備神不在の時期が続き、42歳のマーティン・ブロデューア(元ニュージャージーデビルス)と契約したこともありましたが、ビニントンがセントルイスにスタンレーカップをもたらせて、「押しも押されもせぬセントルイスの守護神」に君臨することができるでしょうか?