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ゴング迫る! WBAスーパーライト級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 「私たちは試合に向けた練習で、彼のディフェンスを向上させ、パンチの爆発力を高めることに取り組んできました」

 WBAスーパーライト級チャンピオン、ローランド・ロメロが初防衛戦に向けて指導を依頼したイスマエル・サラスは、30日の試合に向けてそう語った。

写真:ロイター/アフロ

 ロメロは2022年5月28日にジャーボンテイ・デービスに6回KO負けしている。そして昨年5月13日、1つ階級を上げ、WBAスーパーライト級空位王座決定戦で9回にイズマエル・バローゾをストップして新チャンピオンとなった。

 とはいえ、3ラウンドにバローゾの左ストレートを喰らってダウンを喫した。8ラウンドまでの採点は75-76、74-77、73-78でバローゾがリードしていた。加えて、レフェリーの試合の止め方も早く、政治的な臭いを感じざるを得なかった。

 ロメロはデービスに壊されたのではないか? と感じる内容だった。サラスがロメロをいかに再生させるかが、見どころとなる。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 試合を直前に控えたロメロは言った。

 「故郷であるラスベガスで戦えることを非常に嬉しく思っている。土曜日の夜、ついにゴングが鳴る。待ち切れないぜ。実はライト級のリミットにするのに、自分自身を殺していた。かなり長い間、そんな状態が続いた。スーパーライトは俺にとって素晴らしい階級だが、ウエルターに上げたいとも考えている。どんな相手だって、見下したりはしない。何でもやるし、誰とだって戦うよ。

 とはいえ、イサック・クルスは小柄だ。増量したって小さく見えるよ。俺の顔面をヒットしようと、速いペースで戦おうって誰もが考えるよな。ヤツは俺が仕掛けなくてもいい、初めての相手だ。罠をかける必要もない。向こうから出てくるだろうよ。楽しめる試合になると思うぜ!」

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 2021年12月5日にデービスに挑み、判定まで粘ったクルスも話した。

 「これは私にとって、世界タイトル獲得の非常に大きく重要なチャンスだ。二度目の世界挑戦になる。パンチを振るう準備はできている。手数を出すよ。ロメロがやりたいことに対応する準備万端だ。

 今回、キャリアの中で最高のトレーニングキャンプをこなした。父、そして自分をずっとサポートしてくれているスタッフ全員のお陰だ。だからこそ、努力できた。

 プレッシャーは感じちゃいない。何の意味も無いからね。世界チャンピオンになるためにここにいるんだ」

 ロメロが壊れているか否かが明暗を分けそうだ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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