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またスプリット・ディシジョン! WBCスーパーフェザー級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Mikey Williams/Top Rank

 現地時間11月2日にニューヨーク州ベローナのターニング・ストーン・カジノで行われたWBCスーパーフェザー級タイトルマッチは、王座が交代した。挑戦者のオシャキー・フォスター(31)が、115-113、115-113、113-115のスプリット・ディシジョンでロブソン・コンセイソン(36)からべルトを奪い返した。

 両者の初戦は7月24日。この時はチャンピオンだったフォスターが116-112、112-116、113-115で敗者となった。同判定が物議を醸したからこその、ダイレクト・リマッチとなった。今回もクロスファイトだった。

Mikey Williams/Top Rank
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 ただ、今回のフォスターは前回よりアグレッシブな姿勢を貫いた。序盤はスイッチを試み、第4ラウンドには渾身のボディショットを放った。

 第7ラウンドまでのフォスターは、前進するコンセイソンを巧く捌き、消耗させた。リオ五輪で金メダルを獲得したブラジル人王者も反撃に出たが、挑戦者は一貫してコンセイソンの右を警戒し、自らの右ストレートを見舞った。

 10回、フォスターのワンツーがコンセイソンを捉えるが、ブラジリアン王者も耐え忍んだ。

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 試合後。フォスターは言った。

 「コンセイソンは、とんでもないファイターだよ。彼のハートは信じられない程、強い。そして、広い心を持っている。

 俺は、ファンの皆さんにハードに戦って彼を圧倒すると言った。それが目標だったんだ。今夜のパフォーマンスには満足できないが、多くの人に自分の可能性は見せられたと感じている。(12月7日に催される)エマニエル・ナバレッテvs.オスカー・バルデス戦の勝者とやりたい」

Mikey Williams/Top Rank
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 コンセイソンも話した。

 「リング上で自分が何をしたか分かっているので、満足しています。己を出したので、悲観する必要はないでしょう。今夜の勝者は私じゃないけれど、良い仕事をしたことは分かっています」

 フォスターがもう一度戦いたいのなら、私は準備ができています。私は彼に再戦を与えたのだから、彼も私に3度目の試合を与えるべきですよ。自分と同じように、相手に対する敬意を示すのが筋です」

Mikey Williams/Top Rank
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 実力的に五分五分の両者だが、アルツロ・ガッティとミッキー・ウォードのようなドル箱カードにはなりそうもない。果たして、3戦目はセットされるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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