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#コロナ離婚」する前に、「家族」以外の人間関係に重きを置きすぎてきたこれまでの価値観を見直してみる

村上れ以子成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者
(写真:アフロ)

ハッシュタグ「#うちで過ごそう」が先月、ツイッターのトレンド1位になったそうです。

新型コロナウイルスによる外出自粛を促す意味と、暗い気持ちで過ごすのではなくポジティブに家にいよう!と提案する意図で、元フジテレビアナウンサーの笠井信輔さんや、YouTuberであるヒカキンさんらが発信し、ムーブメントが起きました。

その一方で、ここのところ話題になっているのが「#コロナ離婚」です。

コロナ離婚とは何かというと、

新型コロナウイルス対策による外出自粛で、夫が家にいる時間が増えた家庭で、夫婦のけんかなどが増え、離婚を考える人が増えているとの現象。

出典:百田氏 コロナ離婚に「情けない……」(デイリースポーツ)

この「コロナ離婚」、皆さんはどう考えますか?

新型コロナウイルスの影響で、夫婦にどんなトラブルが起きる?

新型コロナウイルスの影響で、自粛やテレワーク(情報通信技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方)が推奨され、家族が家にいることは確かに増えました。

その結果、生じるトラブルのもとは、いくつも考えられます。

例を挙げると

『衛生観念』に関する認識の違い

・妻が衛生面で気をつかっているのに、夫は帰宅して手を洗わずに子どもに触れるとか。

・妻が「帰宅したらすぐ入浴して」と頼んでも、夫は聞かずに先に食事するとか。

『倫理観』のズレ

・備蓄がすでにあるのに、妻がトイペやマスクを買い占めるとか。

・夫が「大丈夫」と楽観視して、飲みに行くとか。

・夫の仕事が減り、妻の仕事量は変わらないのに、家事の多くや子供の世話はこれまで通り妻が担っているとか。

『不安感』によって生まれる結婚生活への影響

・夫の仕事に影響が出て、今後の不安から暴力的になるとか。

・今後の不安から、妻が宗教などにのめり込むとか。

筆者が目にしたり推測した夫婦間に起こり得るのトラブルを一部書かせていただきましたが、実際にご夫婦がこのような状況にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

上に挙げた中でも、家族への暴力や暴言、生活に影響するほどの散財をともなう行動だと、「離婚」という選択肢は必要でしょう。

筆者が書かせていただいた

小倉優子さんの別居は、「幸せのテンプレート」のようなハイスペック婚が必ずしも幸せでないと教えてくれた

でもご紹介しましたが、最高裁判所のホームページにある離婚原因で、多いのは「性格の不一致」「暴力」「異性関係」。

コロナ離婚は、原因を突き詰めると、「性格の不一致」「暴力」のどちらかになるのかもしれません。

最高裁判所ホームページより 婚姻関係事件数  申立ての動機別申立人別  全家庭裁判所(表は筆者作成)
最高裁判所ホームページより 婚姻関係事件数  申立ての動機別申立人別  全家庭裁判所(表は筆者作成)

東日本大震災で離婚は増えたか

2011年の東日本大震災のときにも、イベントなどが中止となり、自粛ムードがありました。

では、その時、離婚は増えたのでしょうか?

厚生労働省の「令和元年(2019)人口動態統計の年間推計」(PDF)から、ここ10年の離婚件数と離婚率を抜き出して、表にしてみました。

厚生労働省の「令和元年(2019)人口動態統計の年間推計」から抜粋(表は筆者作成)
厚生労働省の「令和元年(2019)人口動態統計の年間推計」から抜粋(表は筆者作成)

いかがですか?

実際のところ、離婚件数も、離婚率(人口1000人あたり何人が離婚しているか)も増えていなくて、むしろゆるやかですが減少しているんです。

東日本大震災は、離婚に大きく影響してはいない、といえるのではないでしょうか。

2020年の離婚件数と離婚率が“新型コロナウイルスの影響で増える”かは、わかりません。

ただ結局は、離婚するご夫婦は新型コロナウイルスの影響とは関係なく、潜在的に「性格の不一致」や「暴力」などの問題を抱えていらしたのではないか、と思います。

「#コロナ離婚」の前に「家族」」以外の人間関係に、重きを置きすぎてきたこれまでの価値観を見直す好機

文部科学省のホームページに「家庭は社会の最小単位」という表現があり、こう書かれています。

家庭は社会の最小単位であり、生涯学習社会の中で、家庭での学習は、感情をはぐくみ、人間としての生活の基礎・基本を伝え、自己学習力を養うなど生涯学習の基礎作りの過程でもあるという考え方が大切である。

出典:文部科学省HP

これを見ると、価値観の変化というか、価値観回帰というか、原点に返る必要があるように思います。

これまで人は、日本は、自己や個人よりも、会社や学校など“大きな社会”のために、最小単位である「家庭」に心を寄せてこなかったのではないか。

「家族」以外の人間関係に、重きを置きすぎてきたのではないか。

それが、「#コロナ離婚」という概念を産むきっかけとなったのではないでしょうか。

文部科学省の表現を使わせていただくと、「家庭」を大切にして「感情」豊かに「人間として」生きる。

社会の最小単位に目を向けるという意味では、9年前もそうだったのかもしれません。東日本大震災で、家族の絆を感じ、大切に思った方はいらっしゃると思います。

今も、再認識すべきことなのではないでしょうか。

もちろん、離婚が最良の策という場合もあります。

「家庭」で「感情」豊かに「人間として」生きられないのなら、その場を離れる選択は間違っていないでしょう。

最良の策と気づいたのだとしたら、はやい対応がいいかと思います。

ただ、「何となくうざい」とか「何となくムカつく」程度のレベルだったら、安易に離婚を口にしないで、まずはこの状況を『家族と過ごせる幸せな時間』ととらえませんか?

「#うちで過ごそう」という、元フジテレビアナウンサーの笠井信輔さんや、YouTuberであるヒカキンさんらのポジティブな発信に乗っかって家族との時間を楽しんではいかがでしょう。

こういう時間も、あなたの人生の素敵な一幕だと思います。

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成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者

キャリア5年で成婚数、成婚率とも東日本1位仲人士に。17年間のスポーツ担当記者時代に取材した国内外トップスポーツ選手・コーチの必勝ノウハウを婚活にいかし、難しいといわれる30代・40代・50代の中高年と親の婚活で、通常の8倍の割合で会員を成婚に導く。慶應義塾大法学部政治学科卒業。既婚、二児の母で、趣味は子どものスポーツ応援。

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