若者は『花見』を自粛し60代が自粛していなかった…行動ログデータから見る『自粛』実態
KNNポール神田です。
IT化、デジタル化、DX化によって、大きく変化できることが増えている。
おそらく、これほどの大規模な個人のアンケート調査は、国内では初めてではないだろうか? しかも、調査員を使うことなく、個人が直接答える。『郵便番号』による地域分布での体調データが手に取るようにわかることだろう。また、2回目などの定期的なアンケートによって、データに裏付けられたリアルな感染状態が浮き彫りになることに期待したいものだ。
また、同時に東京都などの自治体も独自でLINEで『パーソナルサポート』を行っている。ある意味、LINEが『情報インフラ基盤』として機能していることを物語っている。
現在、31万2,197名フォローされている(2020/04/02現在)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/coronasodan.html
各自治体が自主的に『パーソナルサポート』を展開中だ。
https://guide.line.me/ja/covid19/prefecture/
東京都は、新型コロナに関するオープンデータも公開中。
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp
このようなデータにアクセスできる一方で、なんとなくの先入観だけで報道されていることも多いように感じる…。そう、若者は果たして自粛していないのかという点だ。
■花見の自粛を守らない若者たち?
テレビなどの報道を見ていても、自粛をしない若者たちのイメージを強く感じる日々が多い。本当に若者たちは自粛していないのだろうか?
『原因は感染の自覚ない若者!? 首都に迫る感染爆発の危機…「外出自粛」で1都4県が協力確認へ』
https://www.fnn.jp/articles/-/24935
『若者、東京で買い物やカラオケ 外出自粛「気にしない」「遅い」』
https://news.infoseek.co.jp/article/kyodo_kd-newspack-2020032801002426/
ヤフーニュースのオーサーでもある六辻彰二氏も疑問をなげかけている…。
■昨年と今年の上野公園での花見客の滞在時間データ
レイ・フロンティアが発表した、上野公園での滞在時間データを見て、昨年との違いに驚いた…。
この2019年を『100』とした場合の今年の『自粛率』ともいえる年代層の動きに驚いた…。なんと60代がまったく自粛していなかったようだからだ。むしろ、2020年の60代は、去年より増えているではないか!
若者が自粛せずに花見に繰り出している映像ばかりを見せられていたが、実態は60代が一番、自粛していなかったようだ。
30代が一番自粛し、続いて20代、40代、そして50代と続く…。50代の自粛は、昨年の半数であった。
30代は昨年を100%とすると16%の自粛率だった。
このデータが気になり、レイ・フロンティア株式会社に確認をしてみた…代表取締役の田村建士氏によると「私たちもAIを活用し、新型コロナウィルスに関する対策において、匿名データから読み取れる分析をおこなっていた。花見シーズンの上野公園で昨年のデータと比較してみたところ、報道されているような若者自粛との違いが気になり今回ピックアップさせていただいた。弊社は単に人々が集まっている情報だけではなく、時系列による移動データを分析できるところが特徴的だと思う。自社で開発をしているライフログアプリSilentLogに限らず、自動行動記録アプリ入れていただければ、利用者は新コロナウイルスが発症時期とされる、2週間前に自分がどんな行動をしていたかというような移動ログの記録と確認ができ、自己防衛となると思う」と語った。
いろんな仮説を立てて、データを分析していけば、見えない新型コロナウィルスを『見える化』できそうに感じた。
■加害者にならないためにも、2週間前の自分の行動を可視化しておこう
『SilentLog』は自分の行動ログを記録してくれるアプリであり、レイ・フロンティアはそのデータを匿名データとして属性で分析し、SDKとして提供している。残念ながら『SilentLog』はiOSのみである。
androidでもiOSでも『Google Map』の『タイムライン』を利用すれば行動ログを残すことができる。
『アクティビティ管理』>『ロケーション履歴』を設定でオンにしたりオフにすることができる。
https://myaccount.google.com/activitycontrols/location
この新型コロナウィルスの時期だからこそ、2週間前の自分の行動や、そして2週間後の自分の行動の結果を管理するためにも、ロケーション履歴を分析しておくことは有効だろう。
最近は、自宅で自粛していた人にも感染者があらわれているので、自分の行動履歴も正確にログをとっておくことが、感染した場合の予測につながることになるだろう。
スマートフォンを持っているだけで自分の行動ログが管理できる。不安があれば、各自治体の『パーソナルサポート』にアクセスしてみるなど、一人ひとりのスマートフォンが、個別のセンサーとなり、見えない新型コロナウィルスを可視化してくれる日が近づいてくると思う。