【京都市】東山区 「平家物語」に書かれた『忠盛燈籠』の存在&平清盛の『祇園社乱闘事件』
日本三大祭りの一つである『祇園祭』真っ只中の『八坂神社』。毎日様々な神事が行われています。その『八坂神社』本殿の東側に『平家物語』巻六に書かれた「忠盛燈籠」という石灯籠があるのをご存知でしょうか?
柵に囲まれてある古びた燈籠には、説明書きがありました。
「平家物語」にも出てくる「忠盛」とは、平家の棟梁であった「平忠盛」のことを指しています。平清盛誕生と深く関わっている人です。
平忠盛(清盛の父)は、五月雨の夜、白河上皇の供をして祇園女御の許へ向かっていたが、前方に鬼のようなものが見えた。法皇はお供の平忠盛に討ち取るよう命じたが、生け捕りにしたところ、燈籠に燈明をあげようとした祇園の社僧だったという話。
これがその燈籠です!この燈籠に火を灯そうとしていた社僧の着ていた蓑が火の光によって銀の針のようにみえたそう。それを人々が怖がって鬼だと…なんだか想像できますね!
「八坂神社」では、大晦日に「をけら参り」という年越しの風物詩があります。そちらも燈籠と火が関わってきます。https://creators.yahoo.co.jp/kozushokairica/0100173131 (京の年越しの風物詩『をけら参り』〜八坂神社〜)よかったら過去記事をご参照くださいませ。
祇園祭の準備が着々と進められている『八坂神社』ですが、先の出来事がきっかけで白河法皇は寵愛する祇園女御を忠盛に下賜したと云われます。
そして生まれたのが、あの『平清盛』!
しかし、平清盛はここ八坂神社(祇園社)で乱闘騒ぎを起こしてしまいます。
1147年6月15日、祇園御霊会の日の事。
平清盛が「祇園社」に田楽を奉納しようと出向いたところ、祇園社で乱闘事件が起こってしまいます。
武装していた清盛の護衛たちに腹を立てた「祇園社」の神人(神社に仕える下級の神官)が「神聖な境内を何と心得ておる!すぐに立ち去れ」と田楽の楽人(演奏家)らも含め社外へ追い払おうとしたところ、清盛の郎等たちが祇園社に矢を射込み、怪我をさせてしまいます。
祇園社は延暦寺の末社だったので、祇園社はこの暴挙を比叡山延暦寺に訴え、忠盛・清盛父子を流罪にしてくれるように鳥羽法皇へと直訴しますが、軽罰ですんだという史実があるそうです。
この事件以後、平清盛は僧兵の強さを思い知ったと言われています。
京都を代表する神社の一つ『八坂神社』は地元では「祇園さん」や「八坂さん」と呼ばれ愛されています♪
そこでこのような出来事が起こっていたとは、驚き!
お参りしながら観光するとともに、史実を知ることも面白いですね。
八坂神社
〒605-0073 京都市東山区祇園町北側625
075-561-6155