旧東海道の情緒を今に残す「有松の町並み」。江戸時代には、有松絞（ありまつしぼり）という伝統工芸が栄え、大きな商家が軒を連ねるようになりました。2018年、その歴史的価値が認められ、日本遺産に登録されています。

名古屋市街から電車に乗って、半日ほどでサクッと散策を楽しめる。趣深い町並み見せる「有松」で、ぜひ立ち寄って欲しい4つのスポットをご紹介します。

岡家住宅

まず最初にご紹介したいのが、有松の町並みの一番西にある「岡家住宅」。連子（れんじ）格子や虫籠（むしこ）窓など、江戸時代末期の商家建築をよく残しており、名古屋市指定有形文化財に登録されています。

そんなこの岡家住宅ですが、なんと無料で見学可能（土日祝限定）！当時の建築をじっくり鑑賞しながら、有松と岡家住宅の歴史について、ボランティアスタッフさんから丁寧にご解説いただけます。最初にここへ立ち寄れば、この後の町並み巡りがもっと楽しくなるでしょう。

「東海道中膝栗毛」の絵に重なるポイント

そんな岡家住宅の近くにも、町並みの見所ポイントがあります。それが、少し東側にある赤いポスト。実は、ここから岡家住宅を振り返った景観が「東海道中膝栗毛」の絵と重なると言われており、隠れたフォトスポットとなっています。

作中には「欲しいもの 有松染めよ 人の身の あぶら絞りし 金にかえても」と、主人公の弥次さんが歌い、嬉しそうに絞り染めの手ぬぐいを買い求める様子が描かれています。かつての江戸時代の賑わいを今に想起させる、歴史情緒が伝わるスポットです。

有松・鳴海絞会館

最初にもご紹介したように、有松といえば伝統工芸「有松絞り」が有名です。かつて宿場町を整備する際に、尾張徳川家の庇護を受けたこともあり、一大名産品として定着しました。「有松・鳴海絞会館」は、その有松絞りの歴史・技術を今に伝える資料館です。

2階が絞り染めの展示スペースになっており、製作工程から幅広い模様に至るまで、見応えある展示が並びます。また地元の熟練者による縫製の実演も一見の価値あり！来館者を温かく迎えてくれ、積極的にお話をしてくれるのも嬉しいですね。

カフェ庄九郎

有松絞りの発祥の家である「竹田邸」。その屋敷の一角で営業をされている「カフェ庄九郎」は有松散策の穴場スポットです。古き良き古民家の風情に浸りながら、美味しいお食事に舌鼓を打つ時間は、至福のひとときです。

中でもオススメしたいのが「庄九郎ランチ」（1日10食限定、税込1,500円）。厳選されたマグロ・ネギトロ・イクラ&ホタテの3種類の手まり寿司が味わえます。プチプチと弾けるイクラ、絶妙な味付けの漬けマグロ、口の中に溶けていくネギトロ。どれも堪らない美味しさです！

有松絞りを手に入れよう！

いかがでしたでしょうか？今回は有松の4つのおすすめスポットをご紹介しました。現代では都会という印象の強い名古屋ですが、実は豊かな街道の歴史と、伝統工芸を有しています。

サクッと歴史に触れられる散策も楽しいですし、有松絞りを眺めていると、だんだんと自分も欲しくなってしまうかも!?私も1,000円ほどで名刺入れを購入し、愛用しています。

名刺を配るときに、名古屋の魅力を伝えられる気がして、なんだか嬉しいです。半日ほどで大いに楽しめるので、ぜひ有松へ足を運んでみてくださいね！