連勝ストップも、カープ相手に打って守った“柴田講平デー”《5/17 阪神ファーム》
前日に続いて17日も、兵庫県淡路市にある淡路佐野運動公園第一野球場(ボールパークあわじ)で広島と対戦した阪神ファーム。松田投手の先発は2月の安芸キャンプ以来、ウエスタン公式戦ではルーキーイヤーの2012年9月以来ということになります。先頭打者にヒットを許しながらも3イニングを投げ1安打5三振、打者9人で片づけて無失点でした。
打線は、柴田選手が相手エラーからのチャンスに放ったタイムリーを含む3安打と大当たりだったのですが、チーム全体で散発4安打。よく2点も取れたもので…。また柴田選手は鈴木将選手のホームランを掴み取るファインプレーも見せちゃいました!でも試合は終盤に長打を浴びて逆転負け。借金完済には、まだ時間がかかりそうです。
《ウエスタン公式戦》5月17日
阪神-広島 12回戦 (淡路)
広島 000 000 120 = 3
阪神 002 000 000 = 2
◆バッテリー
【阪神】松田-筒井-藤原-歳内-●秋山(1勝1敗)-二神 / 小宮山-小豆畑(9回表)
【広島】武内(5回)-佐藤(1/3回)-西原(1回)-○河内(1勝)(2/3回)-中田(1回)-S飯田(1勝8S)(1回) / 中村亘
◆本塁打 エルドレッド2号ソロ(歳内)
◆三塁打 柴田、美間
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]左:柴田 (4-3-1 / 0-0 / 0 / 0) .371
2]右:緒方 (3-0-1 / 2-0 / 0 / 0) .179
〃打:一二三 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .115
3]二三遊:北條 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .244
4]指:江越 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .292
5]三:森越 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .250
〃打二:荒木 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .094
〃打:岡崎 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .242
6]中:横田 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .167
7]一:西田 (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .230
8]捕:小宮山 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .242
〃打三:黒瀬 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .207
9]遊:植田 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 1) .195
〃打:原口 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .211
〃捕:小豆畑 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .191
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
松田 3回 41球 (1-5-0 / 0-0 / 0.00) 148
筒井 2回 43球 (1-3-0 / 0-0 / 4.15) 140
藤原 1回 15球 (0-2-1 / 0-0 / 2.45) 140
歳内 1回 14球 (1-1-0 / 1-1 /14.04)139
秋山 1回 27球 (2-0-0 / 2-1 / 3.00) 140
二神 1回 6球 (0-0-0 / 0-0 / 1.35) 139
経過1 松田、筒井で5回2安打0点
松田は1回、先頭の安部に中前打されますが、庄司とグスマンを真っすぐで連続三振!安部のニ盗を小宮山が刺して、結果的に3人で片付けました。2回はエルドレッドから真っすぐで、土生からはフォークで空振り三振を奪うなど三者凡退。3回も先頭の鈴木将をスライダーで見逃し三振、あとはフライ2つの三者凡退。3回を投げ1安打無失点、打者9人から5奪三振、無四球という内容です。
阪神打線も同じように1回は先頭の柴田が中前打したものの、緒方が三振に倒れたあと柴田は盗塁失敗、北條も三邪飛と3人で終了。2回は三者凡退でした。しかし3回、先頭の西田が広島の先発・武内からストレートの四球を選び、1死後に植田はファーストグスマンの捕球エラーで一、二塁となり、柴田が右前タイムリー!なおも1死一、三塁で緒方は二ゴロ。三塁から植田を還し、2対0とします。
4回からは筒井が登板。1死を取ったあと庄司の右前打と盗塁を許すも、グスマンとエルドレッドは連続三振!5回は三者凡退。といっても2死後に鈴木将がレフトへ大きな打球を飛ばして、フェンス際まで下がっていく柴田を見ながら「ああ~これは入ってしまったか…」と思った瞬間、ジャンプして思いきり腕を伸ばした柴田のグラブが打球をつかんで離しませんでした!フェンスが低いのでジャンプすると手は越えますが、グラブは明らかにグラウンド側でなく、外へ出ていたはず。見事なホームランキャッチでしたねえ。カメラを持つことも忘れて凝視していたため、写真は撮れず。残念!
経過2 長打で逆転を許す
こちらの攻撃は4回、5回と三者凡退。6回の守備では藤原が四球を1つ出したものの、安部と庄司を連続三振に仕留めて無失点。その裏は先ほどスーパープレーを見せた柴田が先頭。代わったばかりの広島・佐藤の初球を右中間へ!これが三塁打となり一気にチャンス到来、と思ったら以降は投手も交代しながら3者連続三振。
7回に登板した歳内は1死からエルドレッドにレフトへソロホームランを浴び、これで2対1と迫られます。さすがにエグい打球でした。8回は秋山。先頭の鈴木将をショート植田の捕球エラーで出し、桑原の犠打で二塁へ。そして代打・美間に右中間越えのタイムリー三塁打で同点、続く安部の左翼線タイムリーで勝ち越しを許してしまいました。後続は外野フライ2つで何とか1点差のままで9回へ。最後は二神が、わずか6球で三者凡退です。
ところが7回と8回はあっさり三者凡退と反撃できない打線。ここまで散発の3安打のみ、しかも3本とも柴田選手で他はノーヒットなんですよねえ。9回裏も飯田の前に代打・一二三、北條と連続三振に倒れ2死。そのあと江越がチーム4本目のヒットとなるショート内野安打で出塁しますが、代打・岡崎も空振り三振で試合終了。
こちらの投手陣も11奪三振でしたが、奪われた三振は13個。この3連戦で合計33三振を喫しています。これについて古屋監督は「無気力な三振が多すぎたねえ。打席の中で修正できないまま三振してしまっている」と苦い表情でした。
フォークは良くなっている、と松田
まずは、先発に「やばい。緊張してきた…」と言っていた松田投手のコメントから。安芸キャンプ中の2月18日に行われた練習試合・西武戦(春野)で2年ぶりの先発マウンドに上がり、高橋光成投手と投げ合って以来です。先頭バッターに打たれたけど、三振2つ取って小宮山選手も刺してくれて3人で終われました。「そうですね、それも大きいですね」。課題とするクイックについては「そんなに悪くはなかったです」とのこと。
また同じく課題に挙げていたフォークは「去年とかに比べたら良くなっていると思います。1軍で通用するかどうかはまだわからないけど、良くなっているのでこのままいけたらいいですね」と、自身の感触はよさそうです。そして「課題として取り組んで、出来たものも出来なかったものもあります。投げる前に動いたりするクセがあって、それを意識してボールがどうだったか、というのはわからないので」と話していました。
今回は3イニングを投げ「長いイニングだとバッターとの駆け引きもできて、2回や3回はちょっと余裕を持って投げることもできた」と松田投手。香田投手コーチによれば、今後も長めのイニングをこなしていく予定だそうです。
「課題に向かって投げていた」
その香田投手コーチの松田投手評は「思ったよりもよかったねえ」という言葉から始まりました。「先頭を出してしまったけど、セット、クイックを課題として取り組んでくれていた。ボールも非常に強くて力強く、追い込んでからフォークやカーブを投げられていた。1軍のバッターを打ち取るには必要な球だと本人もわかっているでしょう。レベルをもっと上げていってほしいですね。長いイニングを投げれば発見がある。いろいろ見つけていきたい」
そして「きょうは、3イニングという中で課題に向かって投げていた。次の登板に向けて、いい時間を過ごしてほしいし、いい準備をしてほしい。1軍に向けての準備をね」と期待を込める香田コーチでした。
2試合連続マルチ&打点
この日3安打を放った柴田選手。9回2死まではチーム自体のヒットも、その3本だけだったんですよね。1回に先頭で中前打、3回には先制の右前タイムリー、6回は右中間三塁打と2試合連続のマルチ。出場した最近の5試合は、先発であろうと代打であろうとヒットを放っていて「ミスショットがなければ、だいたいヒットになっている。怖いくらいです」と言います。打率もグングン上がって.371になりました。
前日は今井投手から、この日は武内投手から2安打ずつ。武内投手については「真っすぐに角度があるし、力もある。その中で真っすぐに絞って打てました」とのこと。「掛布さんから、ガチャガチャするなと。落ち着いていけと言われているんです。それを意識してやった。ガムシャラも大事ですが、冷静さを忘れないように。見極めることも必要なので。この2試合はそういうところができたと思います」
守ってもスーパーキャッチ!
打つだけじゃありません。5回2死から鈴木将選手のホームランを掴み取った?もぎ取った?あの超ファインプレーは最高でした!本人も「ホームラン捕りましたよ~」と表現。「フェンスが低いのと、きょうのレフト方向はあまり(打球が)飛ばないというのが頭にあった」と言います。確かに風もレフトからライト方向でしたね。まあエルドレッド選手には関係なかったみたいですけど。その時を振り返り、こう表現しました。
「打った瞬間は“いっちゃったかな~”と思ったけど、それから“あれ?あれぇ?”って感じでいって、ジャンプして捕った」
それから「見てた?ホームランでしょ?」と聞かれたので「ホームランでしょ、あれは。グラブはフェンスの向こう側に入っていた」と答えました。フェンスに足をかけたりは?「してないです。ジャンプだけ。いや~まぐれですよ、ほんと」。あのまま勝っていれば、なおよかったと言うと「それは仕方ない。勝負ごとだから」とサラリ。本来なら1軍で見せたいバッティングや守備だったでしょう。でも「継続ですね。普通にプレーしていければいいと思います」と前を向く柴田選手でした。
なお、淡路2試合での賞品の話や、16日に行われた野球教室の様子などは次の記事でご紹介しますので、楽しみにお待ちください。