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東京の積雪予想 的中2割で難しさ浮き彫り 

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
今週も雪か?5日(金)に今冬4度目の雪予想(ウェザーマップ)

今シーズン、東京の積雪予想は1勝2敗。30日朝には気温が1.6度まで下がったものの雪にはならず、もしも平日だったら、雪対策が空振りに終わり、かえって混乱した可能性もありました。積雪予想の的中率は20%に過ぎず、低迷したままです。

気温1.6度で雨

29日(金)から30日(日)にかけ、東京都心は雨で始まり、雨で終わりました。予想降雪量5センチどころか、まったく雪は降らず。もしも、これが週末ではなく、平日だったら、雪対策による交通機関の影響があったかもしれず、外れましたでは済まされない話だったと反省しています。

当初は暖かい空気が流れ込むため、雨が中心と見られていましたが、21日(木)くらいから、気温が低くなる可能性がでてきて、雪が降る予想へと変わりました。

地上付近の気温が低ければ低いほど、雪になりやすいわけですから、降水があって、気温が低いと予想されると、一気に大雪モードになります。

同じ気温でも、雨の場合とみぞれの場合がある
同じ気温でも、雨の場合とみぞれの場合がある

しかし、東京の雪は気温で決まるほど、単純ではありません。

30日午前6時の気温は1.6度、それでも雪に変わらず。雨に雪が混じるとの予想は当てが外れました。過去には、気温6度で雪が降ったこともあります。

おおまかに言って、気温が3度を下回ると雪に変わる可能性が高まるため、天気予報では雪マークが並ぶようになります。より詳細な気温の予測が分かるのが1日半前(39時間前)なので、これを境に天気予想が大きく変わります。

東京の積雪予想は的中率20%

東京の積雪予想を検証したもの(2013年から2016年1月まで)
東京の積雪予想を検証したもの(2013年から2016年1月まで)

2013年以降で、東京で1センチ以上の積雪が予想された場合、もしくは予想以上に雪が積もった場合を調べてみました。

もともと、東京に積雪予想が発表されるのはひとシーズンに数回なので、事例としては10例です。

今さらの話ですが、的中したと思われる事例はわずか2例に過ぎず、半数は今回のように雪が積もると予想しながら、まったく積もらないという例です。

もう少し精度が高くならないと、雪対策が空振りになり、いざという時に混乱を招くと思います。

また、予想の精度が低いと、最悪の事態を考えた、やや過剰な降雪予想となり、それが外れた印象を増す、悪循環に陥っています。

この悪循環を断ちたいが、注意深く予想するしか手立てはない。今シーズンの積雪予想は1勝2敗、今週も5日(金)に雪が降る可能性があり、4度目の正直が試されることになりそうです。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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