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ファッションモデル・松井愛莉も時計といえばスマートウォッチという時代、デザインも機能の一部

いしたにまさきブロガー/ライター/アドバイザー
ケイト・スペード、スマートウォッチ発売記念イベントに登場した松井愛莉

アップルウォッチの登場以降、すっかり世間にも広まった感のあるスマートウォッチ。全世界の2017年通しての出荷で言うと、実はアップルウォッチの出荷は過半数を超えてもいます。アップルウォッチがスマートウォッチというマーケットを作ったといっても過言ではないでしょう。

アップルウォッチはたしかに、特にiPhoneユーザーの多い日本では、機能面ではとびぬけています。3世代目になり、Suicaにも対応したことで、もう手放せない人もいるでしょう。

しかし、アップルウォッチが広まってくると、ひとつ問題があります。アップルウォッチにはサイズ違いがあり、さらにベルトにはたくさんの種類があるものの、基本見た目は黒い四角い物体です。これがマーケットが広がってくると、別の問題を浮き彫りにしてきます。

そもそも、時計が時間を知る、時間を測るという機能だけで選ばれているものなら、こんなにたくさんの種類の時計は必要ないわけです。スマートウォッチ登場以前、時計はこれまでTPOで使い分ける、その日の服装に合わせて選ぶといった使われ方をしてきました。それが意味するのは、時計はファッションの一部であるということです。

私の周囲でも、スマートウォッチを使う女性が増えてきました。理由を聞いてみると「自分の睡眠時間のことが知りたい」「そろそろスマートウォッチを試してみたかった」といったことです。でも、そのときにアップルウォッチの黒い四角い物体の無骨さは、その選択肢になりにくいのです。つまり、要するに黒い四角い物体はおしゃれではないと。

そんな中、ケイト・スペードとしては、はじめてとなるタッチスクリーン式のスマートウォッチが日本で発表され、その発表会にお邪魔してきました。場所はケイト・スペード銀座店。でも、この『ケイト・スペード イン ワンダールーム』と名付けられた発表会、ちょっとただの発表会ではありませんでした。

『ケイト・スペード イン ワンダールーム』と名付けられたその発表会は、20人のゲスト限定。女性のワードローブがすべて揃った空間に招待された女性がやってきて、好きな「アクセサリー・カバン・服」を選んでコーディネート。そして、この全身コーディネートをスマートウォッチで仕上げて、特別な部屋で撮影をするというものでした。

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なぜ「アクセサリー・カバン・服」を、その場で選ぶ必要があったのかについては、またあとでご説明します。

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そして、そのゲストの1人だったのが、ファッションモデルであり女優・歌手でもある松井愛莉さん。

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その特別な部屋での撮影でできあがったのが、この写真です。刺繍の入った黒いコート、花の細工の入ったカバンを組み合わせてのさすがの1枚です。

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ケイト・スペード発表会当日、松井愛莉のインスタグラム

発表会の最中、松井愛莉さんにお話を聞くことができたのですが、その前に気づいたのが、松井愛莉さんスマートウォッチの使い方がすごく手馴れているということでした。スマートウォッチをスマホとつなげるセットアップもあっという間に終わっていました。

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松井愛莉さんが選んだのは、真ん中の黒ベルトのスマートウォッチ
松井愛莉さんが選んだのは、真ん中の黒ベルトのスマートウォッチ

そして、実際にスマートウォッチについて、お話を聞いてみると、そりゃそうだというものでした。なんでも、すでにスマートウォッチはいろんなメーカーのものを3つ持っているそうで、手持ちの時計の中でスマートウォッチの数は普通の時計よりもすでに多いとのこと。これはちょっとびっくりしました。そりゃ、スマートウォッチ手馴れているわけです。

スマートウォッチが好きというのもあるんでしょうけど、ちょっと考えてみれば、これも簡単なことで、世界中を飛び回っている松井愛莉さんですから、移動のたびに時刻を調整とかめんどくさい以外のなにものでもないですよね。

この日も、仕事でヨルダンから戻ってきたばかりでした。他にも、ニューヨーク・パリ・ミラノなどで開催されるコレクションに参加することもあるそうです。飛行機での移動が多いということは、時差問題、睡眠問題に悩まされることが多いわけで、今どきのスマートウォッチはそのシーンで役立つわけです。

さて、話をファッションの話に戻しましょう。

タッチスクリーン式のスマートウォッチというのは、画面そのものはスクリーンしかありません。そのため、スマートウォッチを作っている各社は、様々なウォッチフェイスを用意して、たくさんダウンロードして使えるようにしています。ここまでは、もう当たり前の話です。自分が撮った写真をウォッチフェイスにする機能も当然の機能です。

でも、気に入って使うのなんて、せいぜい2つか3つ程度で、それを選ぶのが非常にめんどうです。すさまじい数の候補があるのに、めんどくさいから、いちばんシンプルなものを使うなんてことにもなりやすいのです。

そして、今回のケイト・スペードのスマートウォッチはそのウォッチフェイスを選ぶという課題に、ファッションの方向から機能で挑戦しているのです。

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ウォッチフェイスを自動的に選ぶ専用アプリ、自分で選ばなくていけないのは4項目です。

  • 昼か夜か
  • アクセサリーの色
  • カバンの色
  • 洋服の色

書き出してみると、少しめんどうに見えるかもしれませんが、どれもほぼ一瞬でこたえられる項目ばかりです。

ポンポンポンポンとタップしていくだけで、きょうのコーディネートにマッチしたウォッチフェイスが選ばれるのは、これちょっと気持ちがあがります。出てきたウォッチフェイスがいまいちだなと思ったら、選びなおさずにもう1回タップすれば、次の候補が出てきます。気に入ったものは、もちろんストックしておけます。アプリの挙動は、少しわかりにくいかもしれないので、下の動画でも確認してもらうとよりいいと思います。

そして、もうおわかりだと思いますが、この日発表会でゲストがコーディネートしたものは、このアプリで選ぶものと同期しています。これはなかなかにうまい演出です。ファッションと機能を同時に味わって、さらにゲストを満足させることに成功しています。

形を変えることできないスマホでは、見た目というファッションの部分はケースが担ってきました。しかし、そもそもが装飾品でもある時計であるスマートウォッチでは、スマホ同様に広がっていくとは限りません。スマホと違い、機能も限定的なものでいいという選択もあるでしょう。なお、このケイト・スペードのスマートウォッチ、すでに予想を超えた売り上げになっているそうです。

この先、スマートウォッチは、よりファッションに近い領域で、また次のマーケットに広がっていく予感が強まった発表会でした。

※写真はすべてケイト・スペードからの提供

ブロガー/ライター/アドバイザー

Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、2007年第5回Webクリエーションアウォード・Web人ユニット賞受賞。「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」「あたらしい書斎(インプレス)」など著書多数。2011年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザーに就任。ひらくPCバッグ・かわるビジネスリュックなど、ネット発のカバンプロデュースも好調。 #カゲサポ

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