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沖縄の南で熱帯低気圧が発生へ、その後の気になる動向は?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風7号と低圧部の雲(ウェザーマップ)

沖縄の南で熱帯低気圧が発生へ

天気図の推移(気象庁発表資料に筆者加工あり)
天気図の推移(気象庁発表資料に筆者加工あり)

台風7号は中国大陸へ上陸し、今後熱帯低気圧に変わる見込みのため、日本付近への直接の影響はありません。

ところで、きのうはトリプル熱帯擾乱(じょうらん)が発生していましたが、きょうは日本のはるか南東の海上にあった低圧部が解析されなくなり、台風7号を除いて、現在発生している熱帯擾乱はフィリピン沖にある低圧部のみとなっています。

低圧部とは、循環は認められるものの、その中心がハッキリしない擾乱のことですが、このフィリピン沖の低圧部の今後の動向が気になります。

天気図の推移をみると、この低圧部はあす20日(木)午前9時の予想でもフィリピン沖でまだ低圧部のままですが、あさって21日(金)午前9時の予想では、沖縄の南に進み、熱帯低気圧に変わる見通しです。

低圧部から中心の循環がハッキリとする熱帯低気圧に変わる見込みとなったことで、台風のたまごの発生が予想されることになります。

ただこの熱帯低気圧の週末以降の動向がまだかなり不確実な状況です。

週明けにかけて熱帯擾乱が日本付近へ北上も?

ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の予想に筆者加工
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の予想に筆者加工

フィリピンの東を北上する低圧部に関する計算は種々あり、弱まって消滅してしまう計算や沖縄付近で熱帯低気圧あるいは台風を発生させ、発達しながら日本付近へ北上させるような計算も見受けられます。

その中のあくまでも参考として、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の最新の計算をみてみると、23日(日)頃、台風とみられる低気圧が発達しながら南の海上から沖縄付近へと進み、24日(月)~25日(火)頃にかけて、九州付近へ北上してくる予想となっています。

ただこれは何度も言う通り、種々ある計算の中の一つであって、とても不確実性が高い状況ではあります。しかしながらこの計算の通り、最悪は熱帯低気圧が勢力を強めながら、あるいは台風として週明けに日本付近へ北上してくるシナリオも考えられますので、今後の予想に十分注意して頂きたいと思います。

猛暑一転、週末は西~東日本で大雨の可能性も

雨と風の予想(ウェザーマップ)
雨と風の予想(ウェザーマップ)

天気図の推移をみてみると、上述の熱帯擾乱とは別に、あす20日(木)本州の南に小さな低気圧が発生する予想です。

この低気圧は、あさって21日(金)西日本の南海上に進んだ後、週末にかけて本州の南岸をゆっくりと東進する見込みとなっていますが、この低気圧は少々熱帯低気圧のような性質を持っているとみられ、スケールが小さいながらも暖かく湿った空気を本州付近へ持ち込む予想です。

その一方、上空には真夏としては強めの寒気が北から流れ込んでくる予想で、低気圧の周辺では活発な雨雲が発生しやすくなり、週末は体温を上回るような猛暑から一転、大雨となる所もありそうです。

週末から週明けにかけての雨の降り方にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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