台風7号を含むトリプル熱帯擾乱が発生中
台風7号は中国大陸へ上陸する見込み
きょう午前9時、南シナ海で台風7号が発生しました。
今年は統計史上初めて台風の発生がゼロだった7月とは打って変わり、8月に入った途端、1日に台風3号と台風4号が発生、さらに9日に台風5号、10日に台風6号、そしてきょう18日に台風7号が発生しました。
これで今月の台風発生数は早くも5個となり、平年の8月の発生数5.9個にほぼ並んできました。ちなみに8月に最も多く発生した年は1966年と1960年で、10個が記録となっています。
台風7号は今後やや発達しながら西寄りに進み、あす19日(水)には中国大陸(華南)へ上陸、その後あさって20日(木)には熱帯低気圧に変わる見込みで、日本付近には直接の影響はなさそうです。
トリプル熱帯擾乱の動向は?
台風7号は上述した通り、今後中国大陸へ進みそうですが、タイトル画像にもある通り、台風7号の他に2つの低圧部が発生しており、現在トリプル熱帯擾乱(じょうらん)が発生している状況です。
低圧部とは周囲より気圧が低く、循環は認められるものの、その中心がハッキリしない擾乱で、もし中心がハッキリするようになると台風のたまご、熱帯低気圧の発生となります。
では今後の予想はどうなのか、気象庁の天気図の推移でみてみると、2つの低圧部はそれぞれ西あるいは北西方向へ進みますが、あさって20日(木)午前9時の段階でも、まだ低圧部であろうという予想になっています。
ただフィリピンのすぐ東に進んでくる低圧部がとても気がかりです。
種々の計算をみてみると、このあたりの低圧部が週末にかけてまとまりながら北上し、日本の南で熱帯低気圧を発生させるような予想が徐々に増えてきている印象があります。
週末は太平洋高気圧の勢力が衰退し、北から寒気が南下してくるタイミングでもあり、もし南海上から低圧部や熱帯低気圧の暖湿気が日本付近に流れ込めば、かなり不安定となり、広く雨雲が発達しかねない状況も考えられます。
このように、目先はフィリピンのすぐ東に進む低圧部の予想に要注意となりそうですが、来週にかけてもう少し長い目線で見れば、もう1つの低圧部の動向からも目が離せません。
心配な極めて高い海水温
現在、フィリピンの東から日本の南にかけては極めて海水温が高く、特に日本の南では平年より2℃~3℃も高くなっており、太平洋側の沿岸部スレスレまで30℃以上のラインが到達している状況です。
これは8月に入った途端勢力を強めた太平洋高気圧の圏内に入り、連日、強烈な日差しを受けて、じわじわ上昇してきたためだと思われます。
もしこのような所に熱帯擾乱(台風、熱帯低気圧、低圧部)が進んで来れば、多大な水蒸気を補給して、一気に勢力を強める可能性があるため、この際立った海水温の高さも非常に気がかりなところです。