統計史上初 仙台の桜が3月に満開に この先も桜前線は“駆け足”で北上
きょう31日、仙台管区気象台はソメイヨシノの満開を発表しました。
仙台の開花・満開の平年日はそれぞれ4月11日と4月16日ですが、今年は開花が3月28日、満開が31日。極めて早いです。いずれも過去最も早い記録で、仙台で3月中に桜の満開が発表されるのは1953年の統計開始以来初めてのことです。
冬と春のメリハリが桜の開花を促す
今年は全国的にも桜が平年より早く咲いていて、各地で最も早い記録を打ち立てています。
この要因は冬の寒さと春の暖かさの“メリハリ”だと思われます。
グラフは2020年12月以降の仙台の気温を平年と比較したものです。
冬の間は平年より低く、温暖化が進行している昨今においては珍しいくらいの寒さでした。ところが2月頃からは一転、平年を上回る気温が続き、しかも平年値との差はどんどん開いてきています。
ソメイヨシノの花芽は、冬の寒さにさらされることで目覚め、その後春の暖かさを受けて生長していきます。
今年はこの「冬の寒さ」と「春の暖かさ」が非常にハッキリしていることで平年を大幅に上回るペースでつぼみが成長したものと思われます。
その急成長ぶりが開花から満開のペースに現れています。
仙台では開花から満開まで、平均すると5日前後かかります。
実際、今年と並んで過去最も早く開花した昨年は、開花が3月28日で満開が4月3日=開花から満開まで6日かかっていました。
ところが今年は開花からわずか3日で満開です。私自身、29日に標本木を見た時は「チラホラ咲いている」くらいだったのに、きょうは一斉に花開いていました。まさに「3日見ぬ間の桜かな」です。
今後も平年より早いペースで桜前線は北上
この先も桜の開花を促すような気温の高さが続く見込みで、ウェザーマップの予想では、本州最北端の青森でも4月15日に開花、ゴールデンウィークの頃には桜前線は北海道に到達している予想です。
この先も「足早」どころか「駆け足」くらいのペースで桜前線が北上していきそうです。