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調理師が教える【ほうれん草の根元】きれいな洗い方・茹で方と根っこの美味しい食べ方

racss食育インストラクター・調理師/菜園家

ほうれん草が甘くて美味しい季節です。鉄分が多く緑黄色野菜のほうれん草はたくさん食べたい野菜ですね。でも一番美味しいのはほうれん草の根元だって知っていましたか?丁寧に洗って食べてみるとびっくりするかも。

ほうれん草の根元の食べ方について調理師・食育インストラクターのracssが解説します。

ほうれん草の根本には甘みが凝縮していてとても美味しい

ほうれん草は、ビタミンAやビタミンC、鉄分が豊富なことで知られています。特に冬のほうれん草は寒さに当たることにより糖度が高くなっています。寒さで凍らないようにほうれん草が糖を作り出しているからです。その甘味が一番多いのが根元。これまで切り落として捨てていた人も、ぜひ一度味わってみてください。

根元の赤みはポリフェノールの一種であるベタシアニンという色素によるもの。体に良い成分なんです。赤い部分を切り取らずに食べてくださいね。

根っこはどこまで食べられる?

畑のほうれん草を引き抜いてみると、こんなに長い根が
畑のほうれん草を引き抜いてみると、こんなに長い根が

ほうれん草を育てたことがある人なら、ほうれん草の根が長いのに驚いたことはないでしょうか。上の写真はわたしが育てたほうれん草。収穫の際に引き抜いたところ、こんなに長くなっていてびっくりしました。自分で育てたほうれん草は根っこまで大事に食べなくちゃと思ってしまいます。

さすがに長い根そのままでは食べづらいので切り取りますが、根の赤い部分は5mm程度は残し、味わってみましょう。売っているほうれん草も根元を少し残してあるものが多いですね。残してある部分は全部食べられます。

ほうれん草の根の洗い方

たわしで軽くこするときれいになる
たわしで軽くこするときれいになる

ほうれん草の根元には土がついているので丁寧に洗う必要があります。根にこびりついた土はたわしやブラシを使うと楽に洗えますよ。軽くこすり洗いするととてもきれいになります。

根本に切り込みを入れる
根本に切り込みを入れる

それから大きさに合わせて根元に切り込みを入れます。大きな株なら十字に入れるといいでしょう。この状態でボウルに溜めた水の中でジャブジャブと揺すり洗いをします。これで根元の葉の間に入り込んだ土もきれいに落ちてくれます。
この切込みは、固い根元に火が通りやすくするのにも役立ちます。

まとめて持って水の中で振り洗いする
まとめて持って水の中で振り洗いする

根付きほうれん草の茹で方

根元を長めに茹でる
根元を長めに茹でる

ほうれん草を茹でるときは、根元から先にお湯に入れます。根元部分だけお湯に浸かった状態で30秒待ちます。手や菜箸で支えておくといいですね。根元部分と葉の部分で時間差をつけることにより、硬めの根元もほどよく火を通すことができます。
そのあと全体をお湯に沈めたら30秒茹でます。柔らかめが好きな場合でも、長くて1分以内には引き上げましょう。ほうれん草は茹ですぎるとベタベタになってしまいます。

ほうれん草の根元だけで一品に

ほうれん草の根元は別にして使うと良い
ほうれん草の根元は別にして使うと良い

根元部分は葉の部分と食感が違うので分けておいて、別の料理に使うのがおすすめ。ナムルや和え物も美味しいですし、油との相性もいいのでさっと軽く炒めて一品にすると、ほうれん草の根の甘さをまとめて味わえます。

ベーコンとほうれん草の根元のクリームパスタ。
ベーコンとほうれん草の根元のクリームパスタ。

今日はこの茹でたほうれん草の根元をパスタソースに加えてみました。「ベーコンとほうれん草の根元のクリームパスタ」です。ソースを作るときは食感が残るよう、ほうれん草の根元を最後に加えます。黒胡椒を振って、いただきます!

まとめ

ほうれん草の根元はきれいに洗って少し長めに茹でると全部食べられます。手間はかかりますが、本当に甘くて美味しいのでぜひ試してみてくださいね。

***【大人の食育】***

「ほうれん草の根元を食べてみよう」というこの記事、いかがだったでしょうか。食材の流通について知ったり、食材を育ててみる、食材を無駄なく使い切る工夫、栄養や美味しい組み合わせを知るといった取り組みは全て「食育」に含まれます。

調理師・食育インストラクターである著者racssのコラムでは、健康的な食生活につながる「大人の食育」を意識したテーマで書いています。「へぇ~なるほど、やってみようかな」「子どもたちにも伝えてみようかな」と思っていただけたら幸いです。よかったらracssをフォローして他の記事もお読みくださいね!

食育インストラクター・調理師/菜園家

学生時代~ハンドメイド作家時代に癒やされる観葉植物の室内栽培にはまったのち、屋外の家庭菜園に魅了され早15年。宿根草とハーブや野菜、野草、山菜系野菜や小果樹を庭で栽培しています。自然を楽しみながら育て、味わい尽くす方法を、調理師・食育インストラクター(2級)の目線から発信していきます。 北海道での家庭菜園の様子はInstagramと公式サイト「racssblog」にて公開中。

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