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伊達&ヨネックスJrプロジェクト2期生キャンプが沖縄で実施! 伊達さんの現在の思いや新たなプランとは

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
沖縄でも熱心にジュニアへアドバイスする伊達公子さん(写真すべて神 仁司)

 元プロテニスプレーヤーの伊達公子さんが、生涯契約を締結しているヨネックス株式会社と組み、2019年1月に発足させた、日本女子ジュニア選手を対象とした育成プロジェクト「伊達公子×ヨネックスプロジェクト~Go for the GRAND SLAM~」。現在、2期生のジュニアプロジェクトが進行中だが、第4回キャンプ(4月18~22日)は、キャンプ地を首都圏から初めて沖縄に移し、豊崎海浜公園テニスコート(ハード)で行われた。2期生の林妃鞠、木下晴結、網田永遠希、木河優、添田栞菜、岸本聖奈、石井心菜、以上7人が参加した(古谷ひなたはけがで不参加)。

 日本テニス協会(JTA)からは、常務理事で大会運営本部本部長を務める坂井利彰氏が、助っ人としてキャンプのサポートをした。

キャンプでは、テニス以外のフィジカルトレーニングも重要なメニュー。伊達さんもジュニアたちと一緒に
キャンプでは、テニス以外のフィジカルトレーニングも重要なメニュー。伊達さんもジュニアたちと一緒に

フィジカルトレーニングのメニューをしっかりこなせているか、しっかりチェック
フィジカルトレーニングのメニューをしっかりこなせているか、しっかりチェック

 約2年間で8回のキャンプが予定されていて、目標は、ジュニア選手をグランドスラム・ジュニアの部に出場させることなのだが、2022年1月、オーストラリアンオープン・ジュニアの部で、15歳の木下が予選から本戦へ勝ち上がったことによって、ジュニアプロジェクト目標達成1号が誕生した。木下にとっても、プロジェクトにとっても、一つの到達点となり通過点ともなったわけだが、伊達さんはこの結果を次のように語る。

「8人の2期生が(ジュニアプロジェクトに)入った時は大きな差が無かった中で、木下さんが、一つの大会をきっかけに(昨年の秋に)5大会で優勝して、その年に全豪オープンへのチャンスを手にした。これは、みんなにも同じ道を辿れば可能性が広がるんだというのを身近に感じてもらえることになった。今、木下さんが8人の中で(実力的に)抜けている部分はあるけれど、それは木下さんが特別だからではなく、自分たちのこととして捉えていくことがすごく大事。それが十分できる可能性がある年齢なので、(木下さんが他の7人にとって)すごくいい刺激にはなっているだろうし、なっていてほしいなと思います」

 この春、全国小学生テニス選手権大会の舞台として、テニス愛好者では知られている第一生命相娯園テニスコートが、日本の一般的なクレーからレッドクレー(赤土)のコートへリニューアルされた。テニス4大メジャーであるグランドスラムの一つであるローランギャロス(全仏テニス)と同じ仕様のテニスコートは、日本国内で2例目となった。レッドクレーコートは、ヨーロッパや南米で多く見られるコートで、このコートを使用する国際大会も多い。

 だが、球足が遅く、ボールのバウンドが高く跳ねるレッドクレーコートに、多くの日本選手が不慣れであるため、なかなか良い結果が得られないことは、長年日本テニス界で問題の一つになってきた。

 第一生命のコートがレッドクレーになったことで、伊達さんは、プロジェクトに参加しているジュニア選手を、15歳前後の早い段階からレッドクレーに慣れてもらうために、今後、ジュニアキャンプを第一生命のコートで実施することもプランの一つとして考えている。

「そのチャンスがこの先あるならば。ただ、ジュニアの大会が結構あるので、やる時期もある程度考えないといけないですけど。ジュニアの場合、砂入り人工芝での試合の前に砂入り人工芝で、ハードの試合の前にハードで、必ずしも練習をする感覚というのはまだまだ薄い。そういう(準備の)意識を持たせることも大事ですけど、でも、今の年齢だから、関係なく時間がある時には、レッドクレーで練習する機会を多く持つというやり方ももちろんあると思うので、いずれどこかのタイミングで、レッドクレーの上でキャンプをやるのは、遅かれ早かれ出てくるんじゃないかと思います。やっぱりレッドクレーで学ぶべきことは多い。しっかり取り組まなければいけないという意識はあっても、なかなかドップリと時間をかけることができなかった。レッドクレーならではのプレーの仕方、フットワーク、(ラリーや戦術の)組み立て方があるので、(キャンプで)やりたいと思います」

沖縄キャンプに参加した伊達さんらスタッフとジュニア選手7名
沖縄キャンプに参加した伊達さんらスタッフとジュニア選手7名

 さて、今回のジュニアキャンプでは、錦織圭がサプライズで飛び入り参加した。果たして、錦織は、ジュニア選手たちに何を伝えたのだろうか。                   (Part2に続く)

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)