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試合中にインタビューを受けながら、ゴロを処理して併殺に仕留める。この遊撃手は何でもできる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
フランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)May 1, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズンは、試合中にマイクを装着し、受け答えをしているスーパースターがいる。これは、ESPNの企画だ。

 4月7日に行われた開幕戦では、一塁を守っていたジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)と出塁したオジー・オールビース(アトランタ・ブレーブス)の2人が、「今、マイクをつけているんだ」(ボトー)、「そうなの?」(オールビース)、「みんなに挨拶して」(ボトー)、「ハーイ、エブリバディ」(オールビース)といった会話を繰り広げ、彼らの音声は、映像とともに視聴者に届けられた。

 5月1日は、フランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)がマイクをつけていた。この日、リンドーアは「2番・遊撃」として出場した。

 3回表、守備についたリンドーアは、ブロードキャスターの質問に答え、マウンド上のマックス・シャーザーが投球を開始してからも、話し続けていた。そして、1死一塁の場面から、リース・ホスキンス(フィラデルフィア・フィリーズ)が打ったゴロを捕ると、間髪入れずに二塁へトスした。ボールは、二塁手のルイス・ギヨーメイから一塁手のドミニク・スミスへ転送され、6-4-3の併殺となった。その是非はさておき、少なくともリンドーアの場合、マイクをつけて話していても、プレーにはまったく影響しないようだ。

 昨シーズンの開幕直後に、リンドーアは、メッツと10年3億4100万ドルの契約を交わした。この契約は、今シーズンが1年目だ。昨シーズンは、打率.230と出塁率.322、20本塁打と10盗塁に終わったが、今シーズンはここまで、まずは順調に滑り出している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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