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20日(水)は冬将軍第二弾到来へ 東京は21年ぶりに早い木枯らし1号も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
予想天気図(ウェザーマップ)

顕著な暖秋から一転今季一番の冷え込み

10月18日の最低気温(気象庁発表に筆者加工あり)
10月18日の最低気温(気象庁発表に筆者加工あり)

きのう17日(日)は冬将軍第一弾が到来し、北海道の稚内、旭川、網走から初雪の便りが届いたのをはじめ、けさ18日(月)にかけては、高い山で雪が初めて積もったことを確認する初冠雪の便りが八甲田山、蔵王山、武尊山など多数の気象台から届きました。

またけさは全国的に平年よりもかなり冷え込みが強まり、本州の内陸でも氷点下の所があった他、東京都心でも初めて10度を下回り、9.2度まで下がるなど、先週までの顕著な暖秋から一転、各地で今季一番の冷え込みとなりました。

そして日を置かずに今度は冬将軍第二弾がやってこようとしています。

タイトル画像にある通り、あす19日(火)夜には日本海に低気圧があり、発達しながらあさって20日(水)には三陸沖に抜ける見込みで、これとともに再び初冬の寒気が北日本を中心に流れ込むでしょう。

今回は低気圧が発達するため、北日本や北陸で風が強まり、高い山では吹雪となるおそれがある他、東京でも北風が強まり、木枯らし1号が吹く可能性があります。

”初冬の嵐”に警戒

風の予想(ウェザーマップ)
風の予想(ウェザーマップ)

コンピュータによる風の予想をみると、あさって20日(水)正午の段階で、低気圧は北海道の南海上付近にあると予想されており、低気圧が抜けるとともに冬型の気圧配置が強まる見込みです。

このため、北陸以北の日本海側には平均風速16メートル以上を予想する赤い矢羽根がたくさん出現しており、”初冬の嵐”となるかもしれません。

一方、東京はこの時点でまだ北寄りの風4メートル程度の予想です。

暴風警報級のおそれ

早期注意情報(気象庁情報をウェザーマップが作成)
早期注意情報(気象庁情報をウェザーマップが作成)

気象庁が発表している早期注意情報(暴風警報級の可能性)によると、あさって20日(水)は新潟県で暴風警報が発表される可能性が高いと予想されており、その他も北陸や東北の日本海側を中心に、暴風警報の可能性は中という予想です。

北日本の山では雪を伴って風が非常に強まるため、吹雪となるおそれがありますので、警戒が必要です。また海上は高波にも警戒して下さい。

東京も北風が強まり、21年ぶりに早い木枯らし1号か

風の予想(ウェザーマップ)
風の予想(ウェザーマップ)

20日(水)昼過ぎからは、関東平野でも北部山沿いからの空っ風が強まり、上図にある通り、午後3時には東京でも平均9メートルの北北西の風が予想されています。

ここで東京地方における木枯らし1号は、下記を基本として発表されます。

①期間は10月半ばから11月末

②西高東低の冬型で季節風が吹く

③風向が西北西から北

④最大風速(平均風速の最大)はおおむね8メートル以上

①②③はいずれも条件を満たしますので、あとは④の最大風速がどうなるかということになりそうですが、今のところ、午後3時には平均9メートルの北北西の風が予想されていますので、条件はクリアする予想です。しかし風速の予想はけっこう難しいですから、ここまで強まらない可能性もあるため、五分五分といったところでしょうか。

ちなみに1951年以降の木枯らし1号の統計では、平均すると11月7日頃の立冬の頃となり、期間が11月末までなので、吹かなかった年も6回あります。

また最も早かった木枯らし1号は、10月13日(1988年)、次いで10月17日(1957年)、そして10月18日(1986年、2000年)となっており、もしあさって20日(水)に吹いたとすれば、2000年10月18日以来21年ぶりの早い木枯らし1号となります。

ただ筆者が調べたところ、木枯らし1号が早く吹いても、遅く吹いても、また吹かなかったとしても、冬の寒さにはあまり関係ないように思われます。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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