フェニックス・リーグ 3試合連続完封勝利!《阪神ファーム》
第3クールが終わった『第15回みやざきフェニックス・リーグ』。10月初めの台風による悪天候から一転、リーグは順調に試合を消化しています。本当にいいお天気が多く、空気も乾いているせいか、日なたは暑く日陰は肌寒いという毎日ですね。そんな中、今クール最終日の阪神-巨人戦(サンマリン)は17時からのナイターで行われました。
今回のフェニックス・リーグ唯一のナイトゲームは、午後の練習時間に人影がまばらだったスタンドも徐々に埋まってきたものの、寒そうにされている方が多かったですね。ことしは例年より朝晩の気温が低いような気がします。
なお23日からは矢野監督のもと甲子園で秋季練習が始まるため、1軍コーチとして名前の挙がっているコーチ陣は、きょう帰阪。あちこち挨拶を交わす姿もありました。そして、きょう宮崎のチーム宿舎には2軍監督、コーチとなる方々が続々と到着しています。第4クールからベンチの顔ぶれがガラッと変わるでしょうねえ。
【19日】2安打で勝ちました。
第3クール初日の18日はロッテに4対8で負けましたが、翌19日の西武戦は9三振を喫したものの、わずか2安打で1対0の勝利です。こちらの投手陣は青柳投手が6回3安打1四球で無失点、リリーフ陣も走者を出しながら踏ん張って完封リレー。虎の子の1点を守り切りました。
《フェニックス・リーグ》 10月19日
阪神- 西武 (南郷)
西武 000 000 000 = 0
阪神 001 000 00X = 1
◆バッテリー
【阪神】青柳-守屋-歳内 / 長坂
【西武】平良(4回)-田村(2回)-相内(2回) / 駒月‐中田(7回~)
◆三塁打 西:高木渉
◆盗塁 神:植田、板山
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]二:熊谷 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
2]遊:植田 (1-0-0 / 0-3 / 1 / 0)
3]右:江越 (3-1-1 / 1-0 / 0 / 0)
4]中:高山 (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0)
5]三:森越 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
〃一:小豆畑 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
6]左:荒木 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
7]指:坂本 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0)
8]捕:長坂 (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0)
9]一三:藤谷 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
青柳 6回 96球 (3-1-2 / 0-0) 145
守屋 2回 37球 (2-2-0 / 0-0) 149
歳内 1回 15球 (0-0-1 / 0-0) 149
《試合経過》 ※敬称略
打線は3回、先頭の長坂が四球を選び、熊谷が投ゴロエラー、植田の四球で1死満塁となって、江越が中前タイムリー!しかし得点はこれだけです。4回も坂本の左前打などで無死二、三塁となりますが得点なし。5回は先頭の植田が四球を選んだものの牽制死など3人で終了。6回からは3イニング続けて三者凡退でした。
一方の青柳も1回、2回と先頭を四球で出しながら抑え、4回と6回はともに2死からヒットを許すも後続を断っています。7回は守屋が先頭の4番・高木渉に中越えの三塁打を浴びたものの、そのあとをしっかり抑え、8回も1死からヒットや野選などで2死一、三塁とするも得点は与えず。9回の歳内も1四球のみで試合終了です。
来年は宮崎に来ないで、とエール
試合後の高橋投手コーチ(監督代行)は、まず青柳投手について「シンカー系の変化球で浮く課題は出たけど、力強い球を投げていたし。はっきり言って彼は来年、ここにいるべきじゃないなと思います。1軍で常にやっていくべき球を投げているなというのは、ことしの後半戦から感じていました。2軍でもいい球を投げ、フィールディングの送球など、課題にしていたものを全部クリアしているなっていうのを感じた。素晴らしいピッチャーになれる要素がある」と絶賛でした。
よくなった要因は?「もともと球が強いから、あとは自分自身がマウンド上で出せるかどうかってのがね。四球や暴投でどうしようとか、自分のフィールディングでどうしようとか、そういうところが見え隠れした結果、失敗することが多かった。でも今はそういった姿はない。本当に自信を確信にしてほしいという感じでしょうか」
また「しっかり課題に取り組んでいるし、荒々しさはなくなったけど、やっぱり今はゾーンに投げることもできているのでね。それって正しい道だったんじゃないかと感じています。結果的には。荒々しさでボール、ボールになるよりも、しっかり強くストライクの球を放っていこうというのが、いい方向にいっている気がします」と高橋コーチは続けました。
ここでしかできないことをやれた
では青柳投手のコメントです。「初回、2回と先頭にフォアボール。立ち上がりで一番やっちゃいけないことをやってしまったんで、そこが反省ですね」。来年はここにいるべきではないと高橋コーチが言っていました。「それは毎年思っています。僕より年下の小野や望月は来ていないので。来年は1年間(1軍に)いられるように、ってのは毎年思っていますけど毎年できていないので。建さんにそう言ってもらったからには期待に応えられるようにやっていきたい」
試合でのピッチングを振り返って「きょうは福原さんに、普段だったら投げないボールもどんどん投げて、練習していこうと言われていました。左バッターがすごく多かった(スタメン9人中7人)ので、もっとチェンジアップなどでストライクを取れたり、バッターの反応を見られたら楽になるんじゃないかと。きょうは5回までの予定だったのを6回までいかせてもらって、そういう練習をさせてもらった。(フェニックスに)来ていない人たちができないことを、バッターに対してできているのは大きいかなと思います」と青柳投手。
左バッターに対しての手応えはあったかという問いに「1軍の時にチェンジアップでストライクを取れていたのが、きょうはあまり取れなかった。チェンジアップとシンカーを主に投げて反応は見られたんですけど、チェンジアップに関してはストライクがあまり入らなかったので、そこは課題」と話しています。
「ミスしても次はストライクを投げられる」自信
最後にもう1試合先発があるかと。「きょうみたいに試したいことを試していいと福原さんに言われています。きょうもランナーがいない時にクイックで投げたり、普段は投げないボールでストライクを取ったりというのは練習だと思うので、やっていいと言われている中でそういうのにどんどん挑戦していけたらなと思います」
ことし後半に安定感が出てきたのは?「ミスを引きずって5点、6点取られるのはプロとしてダメ。今はミスしても次のバッターにストライクを投げられるという自信が持てる。去年ほど苦労しなくなったと思います。ランナーを出してもバッターと勝負ができる。それは、リズムよく投げて打たれるより、リズムが悪くてもゼロで帰ってくれば1軍ではOK、と言われたことが大きいですね」
野手のコメントは江越選手のみです。「追い込まれていたけど、いい形で打てました」という貴重なタイムリー。それも1打席目で空振り三振した真っすぐを打ったものですね。「1打席目は差し込まれていたので、タイミングを早くして右方向を意識した分、しっかりヒットになってくれたと思います」
矢野監督が「1軍で打って勝つ野球をしたい」と話していました。「バッティングは自分の課題でもあるので、しっかり打って、しっかりアピールしていきたいです」。どんな時にも江越選手の可能性を信じ、それを言葉にしてきた矢野監督。来年は1軍の勝利に貢献しましょう!
【20日】4投手が無四球完封リレー!
20日は韓国プロ野球チームのサムスン(三星)ライオンズと、KIRISHIMAひむかスタジアムで対戦。13日の巨人戦でリリーフ登板(3イニング)した呂投手が、フェニックス初先発で、5回5安打無失点、しかも9三振を奪って無四球という好投を見せています。前日に続く完封勝ち、救援陣も含めての無四球完封リレーでした!
《フェニックス・リーグ》 10月20日
サムスン- 阪神 (ひむか)
阪神 000 002 300 = 5
三星 000 000 000 = 0
◆バッテリー
【阪神】呂-竹安-尾仲-谷川 / 長坂
【三星】チェ・ジグァン(4回)-ジョン・インウク(1回2/3)-パク・ヨンミン(1回1/3)-キム・スンヒョン(2回) / キム・ウンミン
◆二塁打 神:藤谷、小豆畑
◆盗塁 神:熊谷2、江越、荒木、坂本
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]二:植田 (4-0-0 / 1-1 / 0 / 0)
2]遊:熊谷 (5-3-0 / 1-0 / 2 / 0)
3]中:江越 (4-1-1 / 0-1 / 1 / 0)
4]左:高山 (3-1-2 / 0-1 / 0 / 0)
5]右:森越 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
6]一:荒木 (3-2-1 / 0-0 / 1 / 0)
〃一:小豆畑 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
7]指:坂本 (3-2-0 / 1-1 / 1 / 0)
8]左:長坂 (2-0-0 / 2-1 / 0 / 0)
9]三:藤谷 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
呂 5回 74球 (5-9-0 / 0-0) 142
竹安 2回 25球 (1-0-0 / 0-0) 141
尾仲 1回 14球 (1-1-0 / 0-0) 149
谷川 1回 16球 (0-3-0 / 0-0) 143
《試合経過》 ※敬称略
前半は投手戦。先発の呂は1回から3回まで内野安打など1安打ずつを許しますが二塁に走者を進めることなく、4回は三者凡退。5回はバントヒットなど初めて連打されたものの併殺で事なきを得て、5回無失点。しかも2回の三者連続を含む計9三振を5イニングで奪っています。
阪神打線も2回以外は走者を出しながら三塁を踏めず、5回に荒木と坂本の連打と盗塁で無死二、三塁としますが、連続三振などで得点なし。しかし6回、熊谷がバットを真っ二つに折られての右前打と盗塁、江越は四球を選んで、続く高山が中前タイムリー!そのあと2死三塁となって荒木の右前タイムリー!2点を先取しました。
7回にも藤谷が左中間へ二塁打を放ち、1死後に熊谷が中前打。ここでピッチャーが一塁へ牽制し、その球が右肩に当たって倒れ込む熊谷。またケガ…?と慌てたのですが、すぐに起き上ってひと安心。この時に藤谷が還っています。以降も再三の牽制にめげず盗塁を決めた熊谷は、江越の左前タイムリーで二塁からホームイン!二塁へ進んだ江越も三盗、続く高山の中犠飛で生還して計3点を追加。
8回は先頭の小豆畑が左中間へ二塁打を放つも得点はありません。そして阪神のリリーフ陣は、6回から登板した竹安は2イニングを投げて1安打無失点。8回の尾仲も2死からヒットを許しますが、最後は空振り三振。9回の谷川は3者連続三振で試合を締めました。
みんな力で抑え込む投球ができた
まずは高橋投手コーチの談話をご紹介します。「ピッチャーはみんなよかったですね。韓国の選手は結構強く振ってくるので、呂と長坂のバッテリーで、そういうバッターに対して呂のいいところを引き出したら自然とこうなるのかな、三振が増えるのかなと思いました。日本のバッターでも強く振ってくる選手がいるので、そういうのがわかったでしょう」
呂投手が、まともなヒットをほとんど打たせなかったのは?「球のキレだと思います。キレがあった。腕が非常によく振れている中で、真っすぐも変化球も同じような振りをするピッチング」
最後を締めた谷川投手の3者三振について「前回は力みがあったけど、今回は力強さ。一回力まないとそういうのが出てこないと思うので、前回の力みが今回の力強さにつながったと感じていると思うし、すごくいいピッチングしましたね」と高橋コーチ。そして「尾仲もそう、竹安もそうです。きょうは力で抑え込むというピッチングだったので、よかったんじゃないかなという感じがします」と締めくくりました。
呂投手と谷川投手のコメント
呂投手に試合を振り返ってもらうと「調子自体はよくて、ブルペンで投げている時から調子がよかったので、実際に試合で投げても抑えることができました。(これまでの中で)結構いい方だとは思います。ただシーズンはもう終わってしまったので、そこはちょっと惜しいなと。来年からはシーズン中にこういうようなピッチングができるようにしたいです」とのこと。
自分自身で一番よかったと思う部分は?「投げる感覚がすごくよかったのと、あとは力がボールに伝わっていたと思う」。1軍で必要な左腕ですからね。「やっぱり左っていうことで有利だと皆さんには思われているんですけど、左右関係なく自分がちゃんとした成績を残すことが1軍で試合に出られる近道だと思うので、まずは自分をしっかり鍛えて、そこから来年投げていく準備をしていきたいです」
メッセンジャーが日本人扱いとなり、外国人枠が1つ空くことには「チャンスはあると思うので、できるだけ1軍で投げられるように頑張っていきたいと思います」と話す呂投手でした。
次は谷川投手に聞きました。3者連続三振は「たまたまです」と笑いますが「フォームの力感にちょっと気をつけて。フォームは力んでいないけど球はいっている、っていうのが今回はできたかなと思います」と手応えも。「相手が韓国チームでパワーヒッターも多いので、どれだけ真っすぐでいけるかなとは思っていたんですけど、そこも試せてよかったです」
ラストバッターには真っすぐを続けて、最後は変化球を振らせて三振。「インコースのスライダーです」。狙い通り?「狙い通りでしたね。ただ2ストライクになって3球同じボールを続けてしまったのがよくなかったので、あそこはしっかり決めないといけないし、3球投げている間に修正もしないといけない。できれば1球、2球ぐらいで」
3安打2盗塁の熊谷選手
野手代表は3安打2盗塁に好守もあった熊谷選手。3安打には「課題だったインコースを打てたので、それはよかったんですけど…最後の見逃し三振ってのはしちゃいけない。インコースを打てたら、次はアウトコースをしっかり打つということを考えてやっていきたいと思います」と、新たな課題を提示しながらのコメント。
かなりインコース攻めが多かったですね。「はい。2ストライクに追い込まれるまでは捨てているんですけど、追い込まれたら対応していかなくちゃいけない。浜中コーチに『インコースを持ちながらでもアウトコースに対応するよう』と言われていたので、きょうインコースにしっかり意識がある中でヒットを打てたかなと思います」。だから余計に9回が悔やまれる?「最後の打席でも何とか、(三振する)その前にいかないといけなかったですね」
2盗塁のうち、7回に走った方は「あれだけ牽制されて、いけたってのはよかったですけど。まだスタートがちょっと遅れたので、一発でいけるようにしたい」と反省も口にしました。それにしても執拗な牽制だった。「そうですね。でも本番だったらあれぐらいになると思うので、常にいく準備はしておきたいです」。守備については「守備が課題なので、守備を上げていかないと試合には出られないと思うので、しっかりやっていきます」と気を引き締める熊谷選手です。
【21日】宮崎で3度目、巨人との対戦
21日の相手は巨人。ファーム日本選手権から3週続けて週末に顔を合わせ、しかも先発はすべて浜地投手。この日は巨人側もファーム日本選手権と同じ高田投手です。互いに走者を出しながら要所を締める投手戦は、6回に長短合わせて4安打を集めた阪神が3点を取り、3投手がそれを守る完封リレー!3試合連続完封勝ちで、2試合連続の無四球でした。
《フェニックス・リーグ》 10月21日
阪神- 巨人 (サンマリン)
巨人 000 000 000 = 0
阪神 000 003 00X = 3
※特別ルール
◆バッテリー
【阪神】浜地-石井-石崎 / 小豆畑-長坂(7回~)
【巨人】高田(6回)-篠原(1回)-田中優(回) / 岸田-田中貴(8回裏)
◆三塁打 神:高山
◆二塁打 神:坂本、小豆畑 巨:増田
◆盗塁 神:荒木
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]二:熊谷 (2-0-0 / 1-2 / 0 / 0)
2]遊:植田 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0)
3]左:江越 (4-0-0 / 4-0 / 0 / 0)
4]右:高山 (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0)
5]中:荒木 (2-2-0 / 0-0 / 1 / 0)
〃中:板山 (1-0-1 / 0-0 / 0 / 0)
6]三:森越 (3-2-0 / 1-1 / 0 / 0)
7]指:坂本 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0)
8]捕:小豆畑 (2-1-2 / 1-1 / 0 / 0)
〃捕:長坂 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
9]一:藤谷 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
浜地 6回 85球 (6-1-0 / 0-0) 148
石井 2回 17球 (0-1-0 / 0-0) 140
石崎 1回 9球 (0-1-0 / 0-0) 151
《試合経過》 ※敬称略
先発の浜地は1回と2回を三者凡退に切って取る立ち上がり。3回と4回は1安打ずつ許しましたが、攻守連発(3回は熊谷が絶妙のトスで4-6-3の併殺、4回は植田が大遠投!)で無失点。5回は1死から内野がはじいたヒットを含む3連打で満塁のピンチを迎えるも3者残塁。6回は増田に中越え二塁打を浴びたものの三塁でアウト!結局3人で片づけています。
打線は2回に荒木と森越の連打、小豆畑の四球で2死満塁と攻めながら無得点。4回は荒木の内野安打と二盗のみ。しかし6回1死から高山が左越えの三塁打を放ち、板山が初球を打って中犠飛!さらに森越と坂本が連打して2死二、三塁となり、小豆畑の右中間二塁打で2者生還!この回3点を取りました。
7回と8回は四死球で走者を出すも追加点なし。この日も三振がかなり多く、出場した11人のうち9人が毎回の14三振を喫しています。なお7回から石井と長坂のバッテリーに代わり、石井は2イニングを計17球で三者凡退!9回の石崎も9球で三者凡退に切って取り、試合終了。
「財産になった」監督代行
高橋投手コーチは浜地投手に「よかったと思います。ストライク率が70%くらい、ほとんどストライクで勝負しているイメージだったので、2軍でそういうのがしっかりできているってことはよかったのかなという気がします。きのうからチームとして2試合連続フォアボールゼロなので、非常によろしかったんじゃないでしょうか」と振り返りました。
チームは3試合連続完封勝利ですね。「もともと金本監督と矢野監督で、1軍で使ってもらっていたし。はっきり言って1.5軍には慣れている、力のあるピッチャーが確実にいます。それが1.3軍や1.2軍、1.1軍のレベルになってきて本当の1軍になってくれたらね。そういうレベルの高いところでやらせてもらった結果だと思う」
これが高橋監督代行としては最後の指揮?「そういう形になると思います。まあホッとしているというか(笑)。自分にとっては財産になったなと。ありがたいことです。年齢が一番上だったというのもありますし。(比較はできないけど)金本さんや矢野さんの気持ちが、ちょっとでもわかったかなっていう気がします」
その間、ピッチャーがいい試合を作ってくれました。「そうですね。ピッチャー冥利に尽きる勝ち方もあったし。やっぱり2アウトからの点の取り方とかね。矢野監督になってから、ファーム日本選手権もそうですけど2アウトから点が取れるチームだなというのもあったので。そういうのも見られたし、よかったです」
リハビリ組をめでたく卒業しました
3週連続で巨人戦の先発となった浜地投手は「テンポ自体はよかったと思います。結果としてゼロで抑えられたってのはよかったですけど、まだまだですね。結果が伴ってきているけど、まだまだ課題はたくさんあるので少しずつ修正していかないと」と満足はしていません。またストライク率がかなり高かったというのも「高ければいいってものでもないと思うんで、難しいところです。ストライク取れるのはもちろん大事ですけど、あまりストライクゾーンいくと打たれるってこともあって難しいところ。まあうまくやっていきたいと思います」と冷静。
5回のピンチについて「0点で抑えたっていうのも大事ですけど、その過程でまだ甘い球が多かったので、ピンチにならないようにする投球ができたはずなので。そこをもっと突き詰めたいなと思います」と話していました。手のマメとか、そういうアクシデントがなく順調にきているのでは?「ちょっとずつ実を結んでいるかなと思います」。言葉の選択も大人です。
ちなみに浜地投手はシーズン中、ウエスタン公式戦に先発しながらも“リハビリ組”のままでした。トレーナーの方から、このフェニックスに参加できるかどうかが目安というお話を聞いていて先日確認したところ、めでたくリハビリを卒業。今はトレーナーでなく、投手コーチ預かりとなっているそうです。秋季キャンプに行ければ、初めての宿舎も経験できますね。
鼻骨骨折から復帰した板山選手
18日のロッテ戦(生目第二)で、打球を追って外野フェンスに激突、鼻骨骨折を負った板山選手が復帰しました。20日の試合前練習はシートノック以外に参加し、この日はすべてのメニューをこなして備えていたもの。高橋監督代行が「ちょっと心配していましたけど、打撃コーチの方から“いける”と。それでいきなり、いいバッティングするんですよね。出たいという気持ちを本人も表していたので」と話していた通り、6回の守備から出場すると、その裏の打席で先制の犠飛を放っています。
試合後に感想を聞くと「違和感なく普通に、試合の状況でどうしたいか考えながら打席に、普通に入りました」と板山選手。いい場面で回ってきた打席でしたね。「1アウト三塁で、引っかけて内野ゴロってことだけはしないように。それで初球の真っすぐをしっかり外野フライ打てたので、内容のある打席かなと思います」。しかも0対0というところ。「はい、そうですね!」
次のクールも出場予定?「もちろんです、はい」。本当に大丈夫だった?打つのも走るのも?「大丈夫でした。患部を押さえたら痛みがあるけど、響くこともないので」。ガードとかしなくていいの?鳥谷選手みたいな。「あれ、鳥さん専用なんですよ」。なるほど、オーダーメイドですか。まあ板山選手専用を作るまでもなく、完全復帰しそうな勢いでした。
3週間ぶりのマスク、打でも活躍!
最後は小豆畑選手です。このフェニックス・リーグで初めてのマスク、しかもスタメンマスクって久しぶり?と聞いたら「マスクは3週間ぶりで、スタメンマスクは1か月ぶりくらいですかね」という返事。そんなになかったとは。確かに最近は練習時間にしかマスク姿を見られなかったですもんね。
ナイスリードでした。「浜地がしっかり投げてくれたから、僕はただ捕るだけでよかったです(笑)。試合で受けていない分、話をしながらコミュニケーションを取ってやれたのがよかったなと思います」
7回、1点を先制したあと連打で2死二、三塁の場面で右中間への2点タイムリー二塁打!しかも前日のサムスン戦でも8回の1打席目に左中間二塁打を放っているので、2試合連続の二塁打です。「ヒットはいつ打っても嬉しいですけど、特に得点圏で強くなりたいと思っているので、きょうは得点圏で四球とタイムリー。きょうに関してはよかったかなと思います!」
なお7回表が始まる際にスタンドから小豆畑コールも起きたんですけど、ちょうどバッテリーが交代したところで残念。でもいい仕事をしましたね。「出た時に必死でやるだけです。また頑張ります!」
<掲載写真は筆者撮影>