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【宇多津町】清々しい青ノ山山頂から望む塩田風景

sakura文筆家/ライター(丸亀市・宇多津町)

桜の名所として有名な青ノ山は丸亀市にある飯野山と兄弟だという伝承が残る、標高224mの小さな山です。青ノ山に登ったことがなくても、日常生活で青ノ山トンネルを利用する方も多いのではないでしょうか。筆者もまた山頂を訪れたことがありませんでした。山頂からの景色に塩田を思い浮かべ、ふと湧いた興味から宇多津町役場の職員さんに写真を見せていただきました。

車なら山頂付近の駐車場まで約5分

青ノ山トンネルの南側に山頂へ続く道があり、そこから5分ほど車を走らせると駐車場に辿り着きます。

山頂付近の駐車場です。
山頂付近の駐車場です。

宇多津町観光協会のホームページには30台ほど駐車可能だと記載がありました。

言い伝えに残る飯野山も駐車場から見ることができます。
言い伝えに残る飯野山も駐車場から見ることができます。

山頂には古墳群と清々しい緑が息吹く広場

駐車場からまっすぐ道路が続いているのですが、筆者は北側に見つけた石段から登ります。

木のトンネルを抜けて進んでいくと左手にトイレがありました。駐車場から続く道路はここに繋がっています。

広場に向かうと古墳群が見えてきました。

青ノ山古墳群(1号墳)は珍しい形をした古墳だと書かれています。
青ノ山古墳群(1号墳)は珍しい形をした古墳だと書かれています。

古墳群を通り過ぎると、青空と緑の芝生が清々しい景色になりました。

心地良い風がわたっていました。
心地良い風がわたっていました。

山頂は分厚い石畳が施されていました。駐車場から約5分で到着です。

うっすらと224mと書かれているのが確認できます。
うっすらと224mと書かれているのが確認できます。

山頂には休憩スペースも。

偶然会った登山客の方にお話を聞くと、毎朝、地元の方がボランティアでお掃除をしてくださっているそうです。テーブルや椅子に土埃も被っておらず、綺麗な休憩スペースでした。登山の記録ノートもあり、自分が登山したことを記したり、気持ちを綴ることができます。

広場には小さな遊具が2台あり、お子様連れでも遊べます。

木製遊具の風合いに、触れたい、遊びたいという遊び心が擽られます。
木製遊具の風合いに、触れたい、遊びたいという遊び心が擽られます。

宇多津町の街並みが望める展望台

広場の北側には展望台があり、備讃瀬戸展望図が設置されていました。

宇多津町のシンボルであるゴールドタワーも描かれていました。
宇多津町のシンボルであるゴールドタワーも描かれていました。

展望台からは宇多津町を一望できます。

天気の良い日だったので、青い海の色合いの変化も確認することができました。県道33号線の北側は、本来ならば塩田が広がっていた宇多津町。商業施設やマンションが建ち並び、交通の便も良い町です。展望台から景色を眺めていると、不意に昔の景色に興味が湧きました。宇多津町に塩田があったころの風景を見てみたい気持ちに。宇多津町役場のまちづくり課に問い合わせると資料を見せていただけることになりました。

塩田風景が広がっていた宇多津町

宇多津町で栄えていた塩田の写真はありませんか、と伺うと職員の方たちが探してくださいました。見てみるとそれは、青ノ山から見える塩田風景でした。

昔の宇多津町
昔の宇多津町

現在の宇多津町
現在の宇多津町

多少、角度は違いますが現在の写真と見比べると、今の宇多津町に建てられているマンションをはじめ、ゴールドタワーやイオンタウン、四国水族館あたりは塩田だったことがわかります。

上空からの塩田風景です。手前にある山が青ノ山、奥に見えるのが飯野山です。
上空からの塩田風景です。手前にある山が青ノ山、奥に見えるのが飯野山です。

真上からみると塩田の広大さが伝わってきます。
真上からみると塩田の広大さが伝わってきます。

また、宇多津町誌を見せていただくと香川県では古来より塩づくりが行われていることがわかります。万葉集巻一に収録されている、舒明天皇が残した歌が記載されていました。以下、新宇多津町誌より一部抜粋。


網の浦の 海人娘子らが 焼く塩の 
思ひぞ焼くる 我が下心

(注)「網の浦」は、今もなお網の浦(大束川以西の旧国道一帯から海岸までの地域)の地名があり、宇多津の網の浦との説がある。或いはまた、「網」は「綱」の誤字で綱の浦(津の山は古くは綱山と書かれた)即ち津の郷辺であるともいう。

宇多津町を見渡せる青ノ山山頂だからこそ、古来から残る山だからこそ昔の景色に想いを馳せることができたのかもしれません。今は桜の時期ではありませんがとても木々の緑が眩しく、穏やかな心地を味わうことができました。小さな山ということで、行きたいと思えばすぐに車で行ける手軽さも魅力のひとつではないでしょうか。

緑が広がる静かな青ノ山山頂から、宇多津町の今と昔の風景を感じてみませんか。

山頂付近は火気厳禁となっています。

みなさんで綺麗な山頂を保ちましょう。

画像提供(塩田):宇多津町役場 まちづくり課

関連サイト:宇多津町観光協会

青ノ山山頂
住所:香川県綾歌郡宇多津町青ノ山山頂
駐車場:あり(約30台)
トイレ:あり
電話番号:0877-49-8009(宇多津町観光協会事務局)

文筆家/ライター(丸亀市・宇多津町)

目で見て、感じて、言葉を綴るライター。Instagramでは言葉から感じたものを、noteでは小説やエッセイを綴っています。こちらでは新しいものだけではなく、すでにあるもの――歴史や文化にも注目して情報をお届けしたいと思っています。

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