【丸亀市】応援メッセージが込められた『だるまさんが、ならんだ』展が丸亀市立資料館で開催中
石垣の高さ(総高)が日本一で知られる丸亀城。丸亀城の敷地内に丸亀市立資料館があります。
駐車場に隣接しているので、建物の横を通ってお城へ向かう方もいらっしゃるのではないでしょうか。ふらりと立ち寄った資料館で見かけた『だるまさんが、ならんだ』展(4月1日~8月4日)。日本各地から集まっただるまの表情に面白さを感じた筆者が丸亀市立資料館の学芸員さんに急遽お話を伺いました。
丸亀城の歴史を学べる丸亀市立資料館
丸亀城のふもとにある丸亀市立資料館はお城の駐車場の北側に位置しており、大手門から訪れた方は門を潜って西(右)へ歩いていくと建物が見えてきます。
資料館に入館してすぐ左手に2階へ上る階段があり、常設展示室に行くことができます。もちろんエレベータもありますのでご安心ください。
階段横に『だるまさんが、ならんだ』のお知らせがありました。
常設展示室に入り順路を辿っていくと、最後の一角に設けられたミニ企画展コーナーにだるまが展示されています。
小さいだるまだなぁ、と思っていたら、さらに小さなだるまが。
ひとつひとつが手作業。色合いや模様が違い、表情に個性があります。
この起き上がり小法師がだるま人形の原型だと書かれていました。現在の雪だるまのような形ではなかったのですね。
きっかけはお客様のリクエスト
日本全国でだるまの形や表情が違うことに面白さを感じて、事務局に向かいました。突然の訪問にも拘わらず、快く取材を引き受けてくれた学芸員さんによると、きっかけは令和3年8月に開催した企画展『新しい旅のかたち 郷土玩具で日本一周』でいただいたお客様からの声。当時はコロナ禍で旅行に行きたくても行けなかったご時世でした。少しでも旅に行ったような気分を感じてもらおうという想いを込めて企画したものでしたが「郷土玩具をシリーズ化してほしい」とリクエストがあったそうです。そして今年、老若男女問わず親しみのある郷土玩具「だるま」をピックアップして企画展が実現しました。
郷土玩具は地域ごとの生活が垣間見える
当時の写真と資料を見せていただくと、展示をする際にも工夫されていることがわかります。例えば、郷土玩具のふるさとが一目見てわかるように都道府県を色分けし、玩具の名前を綴ったネームプレートや台座に色の識別をしています。
「郷土玩具には地域ごとの暮らしが垣間見え、想像することができて面白い」
高知であれば、鯨や捕鯨船。東北であれば、雪国らしい「雪帽子」を被った木彫りの人形など写真を見せてもらうと確かに、香川にはない地域性が現れていました。
地元の小さな魅力が詰まった郷土玩具
木や紙、土で作られた素朴さ、あたたかみのある可愛らしさがある郷土玩具の魅力。「どのようにしたら魅力が伝わるだろう」と試行錯誤しつつも楽しみながら展示場を作っていることが伝わってきます。お話を聞いたのち、筆者はもう一度だるま展に足を運んでみました。
だるまのルーツを辿れば可愛らしい見た目と相反して、辛抱強さが根底にあることがだるま展で知ることができます。今回のだるま展はだるまのルーツと掛け合わせて、今の時代も大変なこともあるけれど頑張っていこうという応援のメッセージが込められています。学芸員さんの想いを知ることで、より一層だるまたちの姿は可愛らしく、どこか芯のある温もりを感じることができました。
丸亀市立資料館には全国47都道府県の郷土玩具が保管されています。これらのほとんどは、十数年前に郷土玩具を集めていた市民によって寄贈されたものです。しかし展示場に飾り切れず、一部の玩具は倉庫で眠ったまま。
「旅行に来られた方たちが自分の地元のものを発見したら嬉しいだろうな、地元のことを知るきっかけになったらいいな」という想いを込めながら、これからも郷土玩具を展示していきたいと学芸員さんは語っていました。
もしかすると、丸亀市立資料館で新たな地元の魅力と出会えるかもしれません。
香川で作られただるまも展示されていますので、ぜひ、丸亀市立資料館に足を運んでみてください。
『だるまさんが、ならんだ』展は、4月1日~8月4日まで開催中です。
丸亀市立資料館
住所:香川県丸亀市一番丁(城内)
電話:0877-22-5366
開館時間:9:30~16:30
休館日:月曜日、祝日、年末年始及び資料整理期間中
入場料:無料(特別展は有料の場合あり)
駐車場:丸亀城内駐車場(無料)及び周辺有料駐車場